小規模企業景気動向調査

令和2年5月期調査

~緊急事態宣言解除も、引き続き最悪に近い水準となった小規模企業景況~

2020年6月29日
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2020年5月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体> 緊急事態宣言解除も、引き続き最悪に近い水準となった小規模企業景況

 5月期の小規模企業の景況は、先月に比べ小幅に悪化となった。産業全体の業況DIは産業全体で▲80.3ptと過去10年間で最悪だった前月から更に悪化し、リーマンショック期の2009年1月期の▲82.5ptに迫る水準となった。例年ならば繁忙期となるGW期間であるにもかかわらず、緊急事態宣言や各都道府県からの休業要請により全業種にわたり経済活動に深刻な影響が出ている。5月中にすべての都道府県で緊急事態宣言は解除されたが、この先の景気も不透明であり不安は募るばかりである。

<製造業> 食料品関係の一部が好調も、全体では発注元の休業、生産調整で厳しい状況が続く製造業 

 先月と比べると資金繰りDIが小幅に改善し、採算DIは小幅に、売上・業況DIはわずかに悪化となった。食料品製造業関連はネット販売を行っている事業者や、外出自粛の為、内食需要が伸びた影響で一部の事業者の受注に回復傾向がみられるが、飲食店の休業や時短営業が相次いだことにより、全体的には受注は激減している。また、機械金属製造業の中で「自動車関連」では海外(主に中国)からの部品調達ができないことや受注元の不振により、生産調整が入った結果、受注量が減少し回復の見通しがたっていない等、厳しい状況は続いている。

<建設業> 工事中止等の影響で、民需、公需共に悪化した建設業

 建設業は、3ヶ月連続で全DIが悪化し、売上及び採算DIの悪化幅は10 ptを超えた。大手ゼネコンの方針により、多くの工事が中止となり、部材の調達難から工期に遅れが発生している状況であり、下請業者には影響が大きく、廃業増加を懸念する声が多くみられた。また、行政の新型コロナウイルス感染症関連の予算増が、今後の公共工事の発注減につながるのではとの声も見られた。一方で、前月同様、災害復旧が進展している地域では、工事量は潤沢にあり、また、要請を受けて休業した観光施設等から、休業期間中に改修工事等の発注の動きが見られた。

<小売業> 取り扱い商品により、新型コロナウイルスの感染症の影響の明暗が分かれた小売業

 小売業は、全DIが悪化となったが、先月に比べ、悪化は小幅にとどまった。小売業の中でも取り扱う商品により景況に大きく差が出ており、緊急事態宣言の影響による内食や巣ごもりの需要から、食料品を取り扱うスーパーや、衛生用品を取り扱うドラッグストア等売上が減少していない事業所もあるが、一方で、衣料品や宝飾品等は客足が鈍り、売上が大きく落ち込んでいる。

<サービス業> 緊急事態宣言解除も、先月に引き続き過去最悪の水準となったサービス業

 サービス業は、3ヶ月連続で全DIが悪化となった。先月の段階ですでに過去最悪の水準であったので、小幅な悪化にとどまっている。飲食・宿泊業でテイクアウトで奮闘したり、在宅に拠る古着整理等の需要から洗濯業で受注が増加したり、理美容業で月の後半から顧客が戻ってきたりしているとのコメントも若干あるが、それ以外は、飲食業・宿泊業を中心に春の行事やGW等の行楽需要がまったくなくなり、月の後半から緊急事態宣言が解除されたものの、新型コロナウイルス感染症の悪影響を示すコメントがほぼすべてを占めた。

全国商工会連合会 政策推進部 事業環境課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
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