小規模企業景気動向調査

平成27年11月期調査

～製造業が牽引し小幅ながらも改善が続いた小規模企業景況～

2015年12月22日
全国商工会連合会

＜調査概要＞

調査対象：全国約300商工会の経営指導員
調査時点：2015年11月末
調査方法：対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

＜産業全体＞ ◇…製造業が牽引し小幅ながらも改善が続いた小規模企業景況…◇

　11月期の小規模企業景気動向調査では、産業全体の業況DI（景気動向指数・前年同月比）は小幅改善となった。項目別に見ると、売上額及び採算DIは不変、資金繰りDIはわずかに改善となった。経営指導員からは、一部の業種でやや上向いているとの報告がある一方、消費低迷の長期化を懸念する声が聞かれ、先行き不透明感が増しているとの報告もあった。

＜製造業＞　◇…食品関連や繊維関連で受注が増加するなど、改善に転じた製造業…◇

　製造業の業況DIは、大幅改善となった。項目別に見ると、売上額DIはわずかに悪化、採算及び資金繰りDIはわずかに改善となった。経営指導員から、好転材料として、①食品関連で、お歳暮関連商品の受注増により、売上が増加している、②一部の繊維関連や建設機械関連で、受注が安定しており、比較的好調であるなどの報告があった。また、悪化材料としては、機械・金属関連や自動車関連で、中国経済の減速により、受注の先行きが不透明となっているなどの報告があった。

＜建設業＞　◇…大型公共工事や住宅ﾘﾌｫｰﾑの受注などにより、緩やかな改善が続いた建設業…◇

　建設業の業況DIは、小幅改善となった。項目別に見ると、売上額及び資金繰りDIは若干改善、採算DIは不変となった。経営指導員から、好転材料として、①一部地域の土木関連で、架橋工事など大型公共工事の受注があり、やや上向いている、②住宅関連で、リフォームを中心に受注が安定しているなどの報告があった。また、悪化材料としては、依然として人手不足が続いており、大工等の職人確保に苦労しているなどの報告があった。

＜小売業＞　◇…秋冬物が低調であるものの、全体的には持ち直しの動きが続いた小売業…◇

　小売業の業況DIは、若干改善となった。項目別に見ると、売上額DIは不変、採算DIはわずかに悪化、資金繰りDIは若干改善となった。経営指導員から、好転材料として、①食料品などで、プレミアム付き商品券の効果により、売上が多少アップした、②小規模事業者持続化補助金を活用した新たな販売促進活動により、売上の増加と新規顧客の獲得につながったなどの報告があった。また、悪化材料としては、気温の高い日が多く、秋冬物の売れ行きが良くないなどの報告があった。

＜サービス業＞　◇…理美容業や飲食関連などが低迷し、再び悪化に転じたサービス業…◇

　サービス業の業況DIは、若干悪化となった。項目別に見ると、売上額DIは小幅悪化、採算及び資金繰りDIはわずかに悪化となった。経営指導員から、悪化材料として、①理美容業で、同業他社との競合が激しく、売上が減少傾向にある、②飲食関連で、顧客の価格に対する見方が厳しくなる中、単価も上げられないため、売上が減少しているなどの報告があった。また、好転材料としては、一部の観光・宿泊関連で、テレビ番組の影響やイベントの効果が出ており好調であるなどの報告があった。