小規模企業景気動向調査

平成30年10月期調査

~消費税増税を見据え、停滞期感が漂う小規模企業景況~

2019年1月16日

全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2018年10月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体>◇…消費税増税を見据え、停滞期感が漂う小規模企業景況…◇

 10月期の小規模企業景気動向調査は、産業全体の業況DI(景気動向指数・前年同月比)を除く3DIで改善が見られた。10月中旬に安倍首相が来年10月に消費税率を予定通り8%から10%へ引き上げると表明したことを受け、今まで設備投資時期について悩んでいた企業からの問い合わせや相談が増えたとのコメントがあった。また、自然災害の面では台風24号の直接被害に加え停電や塩害の影響が大きく、経済面では円安ドル高による原油を中心とした価格高騰等の影響もあり、停滞期に入りつつある。

<製造業>◇…一転回復も、人手不足や原材料高が足かせとなっている製造業…◇ 

 製造業は先月から一転、全項目が改善となった。特に売上額DIと資金繰りDIが小幅に改善した。機械・金属関係は受注が好調であり、来年10月の消費税の軽減税率対応に伴うレジの入替需要に伴い、部品メーカーでも受注が増えてきているとの声もあった。繊維関係では来年の成人式、卒業式・卒園式、入学式・入社式まで続く縫製品需要増に向け体制を整えているとの声が聞かれた。一方で、慢性化しつつある人手不足や原油価格の上昇による食料品関連の包装資材の高騰や夏から続く乳製品の購入規制の影響から、利益を圧迫されているとのコメントが見られた。

<建設業> ◇…年末向け・災害復旧工事で好調も、人手不足等の影響で陰りが見える建設業…◇

 建設業は業況DIこそ若干の悪化となったが、それ以外は改善となり、売上額DIと資金繰りDIは小幅、採算DIではわずかに改善した。年末に向けた繁忙期であるのに加え、消費税増税前の駆け込み需要、オリンピック関連工事、台風や地震からの復旧工事等、工事需要は官公需・民需とも活発であり、繁忙を極めている。一方で、全国的な人手不足の影響が深刻で工事を断っているというコメントも見られた。建設機械でも自動運転技術等の技術導入されつつあるが、機械が複雑で修理が内製化できずに却って手間がかかるとの声もあった。

<小売業> ◇…売上・採算・資金繰りが改善するも、消費税増税が業況に影を落とす小売業…◇

 小売業は業況DIがわずかに悪化したものの、他方、採算DIは小幅に改善した。秋の行楽シーズンや季節の変わり目の衣料需要など明るい話題もあるが、今月は先月より悪化を示すコメントが目立った。特に、消費税増税について悲観的に捉えるコメントが目立った。また、度重なる災害により消費者に買い控えの傾向が出てきていることに加え、葉物野菜を中心に収穫減や魚介類の不漁による高値推移なども需要の低迷に拍車をかけている。

<サービス業>◇…業況こそわずかに改善するも、夏の自然災害の影響が続くサービス業…◇ 

 サービス業は業況こそわずかに改善したが、それ以外の採算DIと資金繰りDIは小幅に悪化した。災害が多っく発生したため対応する保険の加入が多いというコメントや比較的穏やかな気候であったことから、地域によっては、夏の天候不順の落ち込みが昨年を上回る程度に回復しつつあるとの報告があった。一方で、豪雨や地震で直接被害を受けた地域では、復旧後も客足の回復には至っていないとの声や、理美容業では、原材料高により、シャンプー等の資材が高騰し利益が圧迫されているとの声が聞かれた。

全国商工会連合会 企業環境整備課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

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