小規模企業景気動向調査

平成31年3月期調査

~前月から一転、産業全体の全DIが改善も、足取りが鈍い小規模企業景況~

2019年7月11日

全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2019年3月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体>◇…前月から一転、産業全体の全DIが改善も、足取りが鈍い小規模企業景況…◇

 3月期の小規模企業景気動向調査は、産業全体の業況DI(景気動向指数・前年同月比)、売上額DI、採算DI、資金繰りDIすべてにおいて改善が見られた。冬の寒さが和らぎ、また積雪が少ないことから観光業を中心に売上高が増加したことや、建設業で工事が順調井進捗したとのコメントがあった。一方で、人手不足や資材価格上昇については、企業努力だけでは経費上昇分を補填することができないとした悲観的な声もあり、回復への足取りは鈍い。

<製造業>◇…季節需要により一部業種が好調も、米中貿易摩擦等の影響を受ける製造業…◇ 

 製造業は産業全体と同様、業況DI、売上額DI、採算DI、資金繰りDIのいずれもが小幅に改善した。菓子製造業では、3月から4月にかけて、卒業や入学シーズンを迎えることや、桃の節句の需要や端午の節句に向けた動きから忙しさが増している。一方で、これまで好調であった輸送用機械器具製造業では、需要に陰りが出ているのに加え、電子部品製造業では、米中の貿易摩擦の悪影響を受けて受注が減少傾向にあるとの声が寄せられた。

<建設業> ◇…駆け込み需要や復旧工事か事量は潤沢も、人手不足の影響著しい建設業…◇

 建設業は、資金繰りDIこそわずかに悪化したが、それ以外のDIは改善し、特に採算DIの改善幅は小幅であった。民需を中心に、消費税率増加前の駆け込み需要が発生しており、工事量は潤沢にある。また、公需も、土木を中心に大小を問わず、災害復旧の公共工事の発注が多いため、小規模事業者も仕事量を確保できているとの声が寄せられた。一方で、人手不足から、消費増税の関係から3月中の契約を取り交わしても、実際の稼働は数か月先になるとのことや、重機のオペレーター不足が各地で聞かれており、現場は混乱している。

<小売業> ◇…一部商品に時期的な動きがあるも、全般的にキャッシュレスに食指が動かない小売業…◇

 小売業は、売上額DIこそわずかに改善したが、業況DI、採算DI、資金繰りDIはいずれも悪化した。特に採算DIは小幅に悪化した。卒業シーズンに入り、生花や贈答品小売業が売上を伸ばしている。また、地方では、ガーデニング市場が堅調に推移していることから、苗・種子小売業が売上を伸ばしてきている。キャッシュレスへの対応に関するコメントが目立ったが、インバウンドや観光客相手を除くと、顧客ニーズはあまり高いとは言えず、導入しても必ずしも売上に結びつくとは限らないとのコメントもあった。

<サービス業>◇…観光業を中心に好調も、全体への波及効果は薄いへサービス業…◇ 

 サービス業は産業全体と同様、業況DI、売上額DI、採算DI、資金繰りDIのいずれもが改善し、特に、売上額DIは大幅であった。降雪の影響は少なく、観光業は昨年よりも売上を伸ばしている。特に、既存サービス以外に価値を付加する産業で客を集めている。一方で運輸業では通常の荷物に加え、引越需要から物流量が増加しており多忙を極めているが、ドライバー不足が深刻で稼働率は悪い。また、クリーニング業では、ボイラー燃料やドライクリーニング用洗剤等の値上がりが負担となっているほか、高齢を理由とした廃業が生じているとのコメントがあった。

 keikidoukoutyousa1903 

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