小規模企業景気動向調査

令和4年7月期調査

感染急拡大による需要低迷、コスト増の影響による採算・資金繰りに苦しむ小規模企業景況

2022年8月26日
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2022年7月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体> 感染急拡大による需要低迷、コスト増の影響による採算・資金繰りに苦しむ小規模企業景況

 7月期の産業全体の業況は、売上額DIが大幅に悪化、採算・資金繰り・業況DIは小幅な悪化となった。コロナ第7波の急拡大により、5月期、6月期と持ち直しの動きが見られた売上DIが悪化に転じた。また、原油及び原材料高騰によるコスト負担に加え、急激な円安等により採算の悪化につながっているものとみられる。これらの需要の低迷や採算の悪化が、資金繰りにも影響を与え、借り換えやリスケで対応している、などのコメントが目立ち始めている。

<製造業> 受注は好調も、価格転嫁が進まず、採算・資金繰りに苦しむ製造業 

 製造業は、売上額DIが小幅に改善、資金繰り・業況DIが小幅な悪化となった。食料品関連は、催事・イベントの活発化により売上が増加し、5月期に続いてプラス水準となったが、小麦や油等の高騰が止まらず、価格転嫁が追い付かないとのコメントがあった。機械・金属業関連は、採算が引き続き低水準で推移する中、資金繰りもじわじわ悪化しており、経費増加分を価格転嫁できない下請企業の立場の弱さが出ているとの声があった。繊維業関連は売上DIが10pt超改善と受注は好調だが、原材料の入荷待ちで稼働率が低く、支出が先行し、資金繰りの悪化が見られる。

<建設業> 価格高騰による採算の悪化や資材の入手難による工期延長で、資金繰りに苦しむ建設業

 建設業は、売上額DIが小幅に、業況DIがわずかに改善するも、資金繰り・採算DIは引き続き低水準で推移している。官公需の工事を中心に受注が堅調であるも、資材等の価格高騰が続く中、上昇分の価格転嫁が追い付かず、採算の悪化を招いている。また、建築資材が入手困難であることから、工期が延長し、人件費等のコストが増加している。加えて、工期延期で売上の入金が遅れ、資金繰りが悪化している事業者が増加しているとの声があった。

<小売業> 売上好調を維持も、価格転嫁に苦慮する小売業

 小売業は、売上額・採算DIが小幅に悪化し、資金繰りDIがわずかに改善、業況DIが小幅に改善した。食料品関連は、売上額DIが悪化に転じた。商品の値上げに対し、買い控えの傾向がみられる、とのコメントが目立った。衣料品関連は、売上DIが悪化に転じた。コロナによる外出自粛から来店客が減少した、とのコメントがあった。一方、耐久消費財関連は、売上DIが大幅に改善し、猛暑によるエアコンの需要が大きく伸びた、とのコメントが見て取れた。

<サービス業>感染症の急拡大により、回復基調から一転、大幅な業況悪化に苦しむサービス業

 サービス業は、売上・業況DIが10pt超の大幅悪化、採算・資金繰りDIが大幅に悪化した。旅館関連は、5月期、6月期と、売上DIの大幅な改善がみられたが、7月期は20pt超の急激な悪化となり、全業種の中で最大の悪化幅を記録した。クリーニング関連も、外出控えから、売上DIが10pt超の大幅悪化となった。理・美容は、売上DIは小幅の悪化にとどまるものの、エステ関連では、売上の大幅な減少で廃業した、とのコメントがあり、一部の業種への影響が大きかった。

 

全国商工会連合会 産業政策部 産業政策課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

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