小規模企業景気動向調査

令和4年12月期調査

年末需要から景況感は上向くも、採算性の改善に課題が残る小規模企業景況

2023年1月27日
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2022年12月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体> 年末需要から景況感は上向くも、採算性の改善に課題が残る小規模企業景況

 12月期の産業全体の業況は、全DIが小幅に改善した。特に売上額DIはプラス水準となり、直近1年で最も高い数値となった。クリスマス等の年末イベント需要の増加から、売上額DIを中心に改善傾向の業種が多い。また、行動制限緩和が続いており、需要の停滞は脱しつつある。その一方で、全業種においてコスト高騰や人手不足が課題となっており、採算性の悪化から事業整理や、廃業という選択をした事業者もいる、とのコメントが見られた。

<製造業> 売上額DIが2期連続プラス水準も、業種により明暗の分かれる製造業 

 製造業は、2期連続で売上額DIがプラスに推移し、採算・資金繰りDIがわずかに改善、業況DIが小幅に改善した。食料品関連は、行動制限のない年末需要が後押しし、全DIが大幅に改善した。売上額DIは6期連続で改善し続け、業界を牽引している。繊維関連は、水道光熱費や最低賃金引上げによるコスト増で採算DIが大幅に悪化した。機械・金属関連は精密部品の入荷待ち等が影響し、全DIが悪化に転じた。

<建設業> 全DIが2期連続で改善するも、人手不足から受注工事が進まない建設業

 建設業は、全DIが2期連続の改善であり、売上額・資金繰り・業況DIは小幅に改善し、採算DIが大幅に改善した。特に売上額DIは2期連続プラス水準であり、除雪関連事業の増加や、宿泊施設の改修が後押しした。採算DIに関しても、以前よりも価格転嫁が進んだことから、2期連続での改善となった。一方で、受注の好調な事業者において人手不足から追加受注の断念や、工期の延長が起きている。また、災害復旧工事等が年内で完了した事業者では、今後を不安視するコメントもあった。

<小売業> 年末の需要から全業種で全DIが改善するも、採算DIが低水準で推移する小売業

 小売業は、年末需要から全DIが大幅に改善し、売上額・業況DIは10ptに迫る改善となった。特に売上額DIは直近1年で最も改善した。衣料品関連は、冬物衣料の需要がピークとなり、全DIが大幅に改善し、売上額・業況DIが10pt以上の改善となった。食料品関連は、年末イベント需要の増加から、全DIが改善した。耐久消費財関連は、半導体不足が続くものの、需要が伸び、売上額DIが大幅に改善した。

<サービス業>売上額DIは好調を維持するも、コスト高騰から採算DIが悪化するサービス業

 サービス業は、全DIが悪化に転じたものの、売上額DIが3期連続でプラス水準であり、好調傾向が続いている。一方で、全業種を通じてコスト高騰から採算DIが悪化している。旅館関連は、コロナ罹患や航空料金高騰による予約キャンセル等で一部客数が減少したものの、売上額・業況DIはプラスの水準を維持。一方で、採算・資金繰りDIが大幅に悪化した。クリーニング関連は、コスト高騰に歯止めがきかず、採算DIが低い。理・美容関連は、売上額DIが小幅に悪化したが、全体的に横ばいで推移している。

 

全国商工会連合会 産業政策部 産業政策課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
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