小規模企業景気動向調査

令和7年6月期調査

物価高による消費抑制と外需不安により停滞感強まる小規模企業景況 ~

2025/08/22
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2025年6月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体>
  物価高による消費抑制と外需不安により停滞感強まる小規模企業景況

  6月期の産業全体の景況は、業況DIがわずかに上昇、採算はわずかに低下し、売上額・資金繰りDIは不変であった。価格転嫁も十分ではなく、節約志向による買い控えも影響している。製造業を除き各DIはほぼプラスで推移したが、2025年6月の日銀短観の調査結果では、先行きの見通しが悪化していることから、今後の動向には引き続き注意が必要である。

<製造業(食料品、繊維、機械・金属)>
  原材料高と受注鈍化により収益悪化が続く製造業

  製造業は、売上額・資金繰りDIが小幅に低下、採算DIはわずかに低下、業況DIはわずかに上昇した。全体として原材料費の高騰、外需の不透明感等が重なり、採算や資金繰りが厳しい。食料品関連は季節需要により全体の売上額DIを下支えしているが、コスト高で増収減益の傾向。繊維関連は受注減と高齢化による生産性低下が響き、全DIがマイナス値に。機械・金属関連は米国関税や外需鈍化の影響で収益減少の声が多い。

<建設業>
  民間需要堅調もコスト高により採算悪化の建設業

  建設業は、採算DIが小幅に低下、売上額・資金繰りDIはわずかに上昇、業況DIは不変であった。受注は堅調ながら資材価格の高騰と人手不足が深刻化しており、採算に大きな影響を与えている。若手職人の定着難や熱中症対策義務化によるコスト増など、課題も多い。全体として、売上は微増傾向だが、特に民間工事において価格転嫁が思うように進まない事業者が散見され、利益確保の厳しさが続いている。

<小売業(衣料品、食料品、耐久消費財)>
  消費者心理の冷え込みにより回復にばらつきが見られる小売業

  小売業は、採算・業況DIが小幅に上昇し、売上額・資金繰りDIはわずかに上昇した。食料品関連では、生活必需品の需要は維持、売上・採算がやや好転したが、価格転嫁の動きは鈍い。衣料品関連は高齢化やオンライン販売の影響で客数が減少、売上改善は小幅に留まる。耐久消費財関連は季節要因で売上伸長、仕入価格の高騰が続くも採算DIは改善。全体としては若干の改善が見られたが、継続的な回復に向けて注視が必要である。

<サービス業(旅館、クリーニング、理・美容)>
  訪日客と季節需要で一部改善もコスト高が重荷のサービス業

  サービス業は、売上額・資金繰り・業況DIがわずかに上昇し、採算DIは不変であった。旅館業は、訪日客増加やイベント需要で、一部事業所では稼働率が改善も、光熱費等の上昇で採算は横ばい。洗濯業は季節需要による売上増加も、燃料費や資材費の高騰が利益を圧迫。理・美容業は高齢化や来店頻度の減少、競合激化で採算改善には至らず。人手不足や物価高によるコスト増が影響し、業界全体では採算を除き若干の改善に留まった。

 

 

全国商工会連合会 産業政策部 産業政策課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

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