小規模企業景気動向調査

令和7年7月期調査

天候等の影響で業種間・業者間格差が見られるも、一定の改善を見せた小規模企業景況 ~

2025/09/10
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2025年7月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体>
  天候等の影響で業種間・業者間格差が見られるも、一定の改善を見せた小規模企業景況

  7月期の産業全体の景況は、採算DIが小幅に上昇、売上額・資金繰り・業況DIはわずかに上昇した。物価高による節約志向は依然として強いが、猛暑や日米間の関税交渉合意が消費を刺激した一因と考えられる。一部地域や業種では猛暑が悪材料となったが、耐久消費財をはじめとする小売業が産業全体をけん引し、前月比では4ヶ月ぶりに全DIが上昇した。

<製造業(食料品、繊維、機械・金属)>
  猛暑により一部業況改善も、慢性的な人手不足が課題の製造業

  製造業は、採算・資金繰り・業況DIがわずかに上昇し、売上額DIは不変であった。食料品関連は、天候の好転や観光需要の高まりから安定的に推移。繊維関連は、大手企業との価格競争や慢性的な人手不足に苦しむも、猛暑や季節需要により全DIが上昇。機械・金属関連は外需鈍化や原材料高の影響で慎重な姿勢が続くが、米国の関税措置に関する日米協議の合意内容を受け、売上や採算の好転を示す声も一部で見られた。

<建設業>
  民間需要の増加により大幅な採算好転を見せた建設業

  建設業は、採算DIが大幅に上昇、売上額・業況DIは小幅に上昇、資金繰りDIはわずかに低下した。見積依頼や相談件数の増加に加え、土木・外構工事を中心に受注が堅調に推移。一方で、猛暑による工期の遅れなどの影響で資金繰りはわずかに悪化しており、人手不足や資材高騰などの構造的課題は依然として残る。一部で新築需要や公共工事の減少による懸念の声も散見されるため、今後の動向に注視が必要である。

<小売業(衣料品、食料品、耐久消費財)>
  猛暑・季節要因と生活需要により、回復基調の小売業

  小売業は、全DIが小幅に上昇した。衣料品関連では、仕入れ価格の上昇や外出控えに悩むも、夏物や猛暑対策商品の売れ筋が好調。食料品関連では、米や卵が価格の高止まりを見せるも、生活必需品としての需要から堅調に推移。耐久消費財関連では、猛暑に伴い夏物家電が好調。修理・設置依頼も増加し、大幅な売上額DI上昇に繋がった。一方で、人手不足による失注等の課題もあり、対応が急がれる。

<サービス業(旅館、クリーニング、理・美容)>
  採算確保に苦慮するも、工夫が光るサービス業

  サービス業は、売上額・採算DIがわずかに上昇、資金繰りDIはわずかに低下、業況DIは不変であった。旅館業は、夏休みや観光需要の増加が業況改善に寄与。クリーニング業では、専門サービスやキャッシュレス決済を導入し、顧客層の拡大を図る動きが一部事業所で見られた。理・美容業では、猛暑による光熱費の増加や来店頻度の低下といった厳しい経営環境の中、販促活動の強化やサービス拡充を通じて集客を図る事業所も確認された。

 

 

全国商工会連合会 産業政策部 産業政策課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

ページの先頭へ

Facebook
『商工会あきた』

  • あきた女性活躍・両立支援センター
  • 一般事業主行動計画
  • 珠算・販売士検定試験日程

秋田県商工会一覧