小規模企業景気動向調査

令和7年10月期調査

物価高騰に加え、最低賃金引き上げの影響が出始めた小規模企業景況 ~

2026/1/9
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2025年10月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体>
  物価高騰に加え、最低賃金引き上げの影響が出始めた小規模企業景況

  10月期の産業全体の景況は、全DIがわずかに低下した。ほぼ全ての業種でDIが低下しており、売上額DIはプラス値を示しているが、最低賃金引上げやコスト高の影響から、収益性や経営環境の改善には至っていないとの声が散見された。廃業を検討する声も多い中、省力化投資や商品・サービスの付加価値を高める取組が事業継続や持続的成長の鍵になる。

<製造業(食料品、繊維、機械・金属)>
  機械・金属が改善も、前月に続き全DIが悪化した製造業

  製造業は資金繰り・業況DIが小幅に低下、売上額・採算はわずかに低下した。8月期からの連続改善に反し全DIが低下した。食料品及び繊維について全DIが低下したが、機械・金属については、一部地域では半導体需要が追い風となり、資金繰りを除く3つのDIで改善を示した。一方で、人手不足や設備の老朽化への対応が進まず商機を逸しているとの声もあり、積極的な設備投資や人手不足対策による経営体制の改善が求められる。

<建設業>
  長引くコスト増や受注減により、売り手・買い手ともに資金繰りに苦しむ建設業

  建設業は、資金繰りDIが大幅に低下、採算・業況DIはわずかに低下し、売上額DIは不変となった。物価高や外注費が高騰する中、特に最低賃金改定に伴う労務費の価格転嫁が進まず、採算や資金繰りについても厳しさを増している。また、コスト高に伴い販売額が高額になることで、顧客がローンを組めないとの声も寄せられた。発注者からの依頼減少により、廃業を検討する声もあり、業界全体で停滞感が漂っている。

<小売業(衣料品、食料品、耐久消費財)>
  季節需要で衣料品がけん引も、価格転嫁が急がれる小売業

  小売業は、売上額・採算DIが小幅に低下、資金繰り・業況DIは不変となった。衣料品では全DIが上昇した。物価高騰による採算の悪化や買い控えを訴える声が散見されたが、気温の低下や季節の進行等により冬物需要が高まったことが要因とみられる。食料品についても一定の需要等から前年ベースでは全DIが上昇したが、仕入価格や人件費、光熱費の上昇に価格転嫁が追い付いておらず、引き続き動向に注視する必要がある。

<サービス業(旅館、クリーニング、理・美容)>
  節約志向による来店頻度低下が収益を圧迫するサービス業

  サービス業は、売上額・採算DIが小幅に低下、資金繰り・業況DIは不変となった。旅館業では、9月期に続き前月比・前年同月比ともに全DIが低下。特に採算DIは10ポイント弱低下しており、コスト増等による経営悪化に苦しむ声が散見された。また、北日本を中心に熊の出没情報が相次ぎ、イベント中止や宿泊キャンセル等の影響により来客数が減少している。理・美容業については、来店頻度の減少や物価高騰を指摘する声が散見された。

 

 

全国商工会連合会 産業政策部 産業政策課

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