小規模企業景気動向調査

令和8年6月期調査

一部で持ち直しの兆しがみられるも、価格転嫁が引き続きの課題となる小規模企業景況 ~

2026/7/31
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2026年6月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体>
一部で持ち直しの兆しがみられるも、価格転嫁が引き続きの課題となる小規模企業景況

 6月期の産業全体の景況は、売上額DIがわずかに低下、採算DI・業況DIは小幅に改善、資金繰りDIはわずかに改善した。エネルギー価格や原材料価格の高止まりは続いているものの、一時より緩和しつつあるとの声が見られた。また価格転嫁が一部で進みつつあるものの、仕入価格は依然として高水準で推移しており、先行きを慎重にみる声が多い。

<製造業(食料品、繊維、機械・金属)>
コスト高による収益圧迫が続き、価格転嫁がポイントとなる製造業

 製造業は、売上額DIが小幅に低下し、採算DIと業況DIはわずかに改善、資金繰りDIは不変となった。食料品関連では包装資材や原材料価格の上昇が収益を圧迫しているとの声が多く見られた。機械・金属関連では堅調な受注が続いている一方、繊維関連では受注の低下や仕入価格の上昇による厳しさが続いている。業種間で景況に差がみられるが、全体を通じて、価格転嫁の進捗が景況感の差につながっている。

<建設業>
改善傾向がみられるが、引き続き、資材高と人手不足が経営を圧迫する建設業

 建設業は、売上額DI・資金繰りDIが小幅に改善、採算DIが大幅に改善、業況DIは11.2ポイントの大幅な改善となった。原材料価格の高騰や入手困難は続いているものの、一部では流通の回復傾向や価格転嫁が進展してきたとの声が見受けられた。公共工事や住宅関連工事を中心に需要は安定しているが、原材料の確保難や人手不足に起因する人件費の上昇による収益圧迫も続いており、引き続き動向に注視する必要がある。

<小売業(衣料品、食料品、耐久消費財)>
消費者の根強い節約志向が重荷となる小売業

 小売業は売上額DIがわずかに低下、資金繰りDIはわずかに改善、採算DI・業況DIは小幅に改善となった。衣料品では、仕入価格の上昇と消費者の買い控えが続いている。食料品では、価格転嫁による採算確保ができたとの声がある一方、仕入価格の上昇が収益に影響を及ぼしているとの声が多くみられた。耐久消費財は季節需要の増加を背景に持ち直したとの声もあるが、全体としては消費者の節約志向が根強い状況が続いている。

<サービス業(旅館、クリーニング、理・美容)>
需要増加の一方、コスト負担が収益を圧迫するサービス業

 サービス業は、売上高DIが小幅に低下、資金繰りDIがわずかに改善、採算DI・業況DIが小幅に改善となった。旅館業では、観光需要やインバウンド需要が売上を下支えしている一方、理・美容ではエネルギー価格の上昇が収益を圧迫する状況が続いている。商品券の活用により需要が増えたとの声がある一方、価格転嫁が十分に進まず、収益確保に苦慮する声が多い。業種ごとに差はあるが、コスト負担への対応が引き続き課題となっている。

 

 

全国商工会連合会 中小企業問題研究所

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