小規模企業景気動向調査

令和8年7月期調査

~ 季節需要が追い風となるも、コスト高と人件費上昇が重荷となる小規模企業景況 ~

2026/8/28
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2026年7月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体>
季節需要が追い風となるも、コスト高と人件費上昇が重荷となる小規模企業景況

 7月期の産業全体の景況は、売上額DIが大幅に改善し、採算DI・資金繰りDI・業況DIは小幅に改善となった。季節需要や観光需要を背景に一部で売上回復の動きがみられる一方、原材料価格やエネルギー価格の高止まり、人件費の上昇が収益を圧迫している。価格転嫁が進む事業者もあるが、依然として消費者の節約志向は強く、今後の見通しには慎重さが残る。

<製造業(食料品、繊維、機械・金属)>
半導体関連は堅調も、原材料高とコスト増への対応が課題となる製造業

 製造業は、売上額DI・採算DI・資金繰りDIが小幅に改善、業況DIは大幅に改善となった。機械・金属関連では半導体関連需要を背景に受注が堅調で、業況改善をけん引している。一方、食料品製造では原材料や包装資材、エネルギー価格の高止まりが続き、収益確保に苦慮する声が多い。繊維関連でも需要低迷や仕入価格上昇の影響が続いており、業種間で差はあるものの、全体としてコスト増への対応が大きな課題となっている。

<建設業>
受注は堅調も、人手不足と資材価格高騰が重荷となる建設業

 建設業は、売上額DIが11.6ポイントの大幅な改善、採算DI・業況DIは大幅に改善、資金繰りDIは小幅に改善となった。公共・民間工事とも需要は底堅く、受注拡大や住宅関連工事の増加を背景に売上改善の動きがみられる。一方で、人手不足による施工の遅れや人件費上昇に伴う資金繰りへの不安の声も聞かれる。資材調達状況には改善の兆しがあるものの、業種内の格差も目立ち、工期の長期化や利益確保への懸念は根強く残っている。

<小売業(衣料品、食料品、耐久消費財)>
季節需要が下支えするも、節約志向の継続に苦しむ小売業

 小売業は、売上額DI・業況DIが小幅に改善、資金繰りDIはわずかに改善、採算DIはわずかに低下となった。食料品や観光関連分野では、季節需要や観光需要を背景に来店客数の増加や売上回復の動きがみられる。一方、衣料品や耐久消費財を中心に消費者の節約志向や買い控えの影響が続いており、仕入価格の上昇も利益を圧迫していることから、売上回復が収益改善につながりにくい状況となっている。

<サービス業(旅館、クリーニング、理・美容)>
観光需要が追い風となるも、コスト負担が重荷となるサービス業

 サービス業は、売上額DIが大幅に改善、採算DI・資金繰りDIは小幅に改善、業況DIはわずかに改善となった。旅館業では観光需要や夏休み需要により宿泊客数が増加し、好調な声が多く聞かれた一方で、地域によって集客状況に差もみられる。クリーニング業や理美容業では利用頻度の低下や価格競争が続いている。加えて、人件費や光熱費の上昇が収益を圧迫しており、売上回復を利益へ結び付けることが今後の課題となっている。

 

 

全国商工会連合会 中小企業問題研究所

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