小規模企業景気動向調査
令和8年8月期調査
~ 需要回復の動きがみられるも、人手不足とコスト高が重荷となる小規模企業景況 ~
2026/9/30
全国商工会連合会
<調査概要>
調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2026年8月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式
<産業全体>
需要回復の動きがみられるも、人手不足とコスト高が重荷となる小規模企業景況
8月期の産業全体の景況は、売上額DI・採算DI・資金繰りDI・業況DIがいずれも小幅に改善となった。夏休みやお盆の需要増加により、観光関連を中心に小売業や旅館業で売上回復の動きが見られる一方、人手不足による受注制限や機会損失が見られるほか、最低賃金の引き上げに伴う人件費負担への懸念も強く、今後の経営環境を不安視する声も多く聞かれた。
<製造業(食料品、繊維、機械・金属)>
受注は堅調も、コスト上昇が重荷となる製造業
製造業は、売上額DIが大幅に改善、採算DI・業況DIは小幅に改善、資金繰りDIはわずかに改善となった。機械・金属関連では引き続き半導体関連需要が好調である一方、食料品関連を中心に原材料費やエネルギー価格の高騰が続いており、価格転嫁が追いつかず収益を圧迫している。また、業種を問わず人手不足や人件費の上昇も経営負担となっており、コスト上昇への対応が引き続き課題となっている。
<建設業>
受注は底堅いも、資材高騰と人手不足が重荷となる建設業
建設業は、採算DI・資金繰りDI・業況DIが大幅に改善、売上額DIは小幅に改善となった。中東情勢による資材供給の混乱は緩和傾向にあり、公共工事や修繕需要を背景に受注は底堅く推移している。一方で、資材価格や人件費の高騰が利益を圧迫しているほか、人手不足や猛暑、天候不順による工期の遅れも重なり、採算確保や先行きを不安視する声が多くみられた。
<小売業(衣料品、食料品、耐久消費財)>
需要回復の動きがみられるも、価格転嫁に苦慮する小売業
小売業は、売上額DI・採算DI・業況DIが小幅に改善、資金繰りDIはわずかに改善となった。お盆需要や観光需要に加え、飲料やエアコンなどの季節需要が下支えとなり、食料品や耐久消費財を中心に売上回復の動きがみられた。一方で、仕入価格の上昇や消費者の節約志向が続いており、収益確保に苦慮する声が多く聞かれた。顧客離れへの懸念から十分な価格転嫁が難しいケースもあり、厳しい経営環境が続いている。
<サービス業(旅館、クリーニング、理・美容)>
観光需要が下支えするも、コスト増が重荷となるサービス業
サービス業は、売上額DIは小幅に低下、採算DIはわずかに低下、業況DI、資金繰りDIがわずかに改善となった。お盆や夏休みの観光需要、インバウンド需要を背景に、旅館業を中心に利用客の増加がみられた。一方で、天候不順や災害の影響により観光需要が伸び悩む地域もあり、地域間で差がみられる。加えて、エネルギー価格や人件費の上昇が収益を圧迫しているほか、人手不足も深刻化しており、先行きを不安視する声が多く聞かれた。
全国商工会連合会 中小企業問題研究所



















