小規模企業景気動向調査

令和2年3月期調査

~新型コロナウイルスの影響により、直近10年で最悪となった小規模企業景況~

2020年4月28日
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2020年3月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体> 新型コロナウイルスの影響により、直近10年で最悪の水準となった小規模企業景況

 3月期の小規模企業景気動向調査は、先月に引き続き全DIが大幅な悪化となった。産業全体の業況DIは▲65.0ptと、直近10年で最悪の水準であり、悪化幅も▲21.4ptと先月を大きく上回り、直近10年では、消費税8%引き上げ時の▲24.3ptに次ぐものとなった。経営指導員からは、一部業種で改善傾向を示すコメントが見られたが、ほぼ全てが新型コロナウイルスの影響による悪化傾向を示すコメントであった。特に、影響が全業種に及んでいること、今後の資金繰り・事業継続に懸念を示す声が多く寄せられた。

<製造業> 原材料高騰、受注低下、部品調達難の三重苦に苦しむ製造業 

 製造業も、先月に引き続き全DIで悪化となった。全てのDIが先月を上回る20pt以上の悪化となった。特に資金繰りDIが4業種の中で最も大きかった。外出を控える需要に適合した食品製造業やマスク需要に対応した繊維製品製造業では売上増が見られた。しかし、大部分の製造業では、原材料高騰や受注低下、海外からの部品調達難により売上は大きく落ち込み、また、中国への依存度により、影響度合いの二極化が発生しているとのコメントが見られた。

<建設業> 部品・資材の調達難により、工事未了や新規受注ができずに苦しむ建設業

 建設業では、他3業種と同様に全DIで悪化となった。特に売上高DIは4業種の中でも最も悪化幅が大きかった。例年であれば、3月は公共工事完了により売上が増加する時期であるが、新型コロナウイルスの影響によりバス・トイレなどの水回り品だけではなく、塩ビパイプや継手部品の調達難が発生している。そのため、工事が未完成のまま、資金繰りを圧迫している事例や新規受注に対応できないという報告があった。

<小売業> 新型コロナウイルスの悪影響で、かつて無いほどの悪化が見られた小売業

 小売業は、悪化幅こそ先月並みであったが、全DIが悪化となった。新型コロナウイルスによる外出制限の影響で生活必需品や食料品を買い込む消費者が増えたことから、売上が急増したとの声が聞かれた。一方で、外出抑制や買い控え傾向から、衣料品小売業の売上は大幅に減少となった。また、家電小売業では宿泊施設の入替需要が少なく売上が減少しているとの報告があった。

<サービス業> 壊滅的な宿泊業をはじめ、すべての業種で大幅な業況の悪化となったサービス業

 サービス業は、2ヶ月連続で全DIが悪化となり、改善を示すコメントは全く無かった。新型コロナウイルスの影響で、宿泊業は壊滅的な状況となったのに加え、この時期はGWの予約が入ってくるシーズンであるが、8~9割の事業者にキャンセルが見られるなど、深刻な状況は際立っている。宿泊業以外では、卒業式等の学校行事の中止や各種集会の自粛により、飲食業や理美容業で軒並み売上が激減している。また、観光や宴会・集会等の需要の減少は、洗濯業・クリーニング業にも影響を与えており、宿泊施設から出されるシーツや浴衣、飲食店からはおしぼり等の業務用のクリーニングの需要が大幅に減少しているとのコメントも見られた。

全国商工会連合会 政策推進部 事業環境課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
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