小規模企業景気動向調査

令和2年4月期調査

~緊急事態宣言を受け、先月に比べさらに悪化し、悲壮感漂う小規模企業景況~

2020年5月26日
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2020年4月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体> 緊急事態宣言を受け、先月に比べさらに悪化し、悲壮感漂う小規模企業景況

 4月期の小規模企業景気動向調査は、先月に引き続き全DIが2桁の悪化となった。産業全体の業況DIは▲78.6ptと過去10年間で最悪だった前月から更に悪化し、リーマンショック期の2008年1月期の▲82.5ptに迫る水準となった。緊急事態宣言を受けて夜間営業が不可能になったことを受け、売上の落ち込みを補うべく、互いにテイクアウトを行う飲食店が空き店舗で合同販売を実施し、好評を得ているとの前向きなコメントが見られたものの、どの業種も新型コロナウイルスの影響で悲壮感が漂うコメントが多く、先が見えないこともあり、見通しは大変暗い。

<製造業> 一部で好調も、生産調整、取引先の休業等により、深刻な状況となった製造業 

 製造業も、先月と比べると悪化幅は縮小したが、全DIで2桁の悪化となった。外食控えや巣ごもり需要により、スーパー等の販売が好調で、食料品製造業で受注が増えている他、本業の衣料品製造からマスク等の衛生用品製造にシフトした会社では業況がやや好転している。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響は深刻で、直接従業員等の感染がなくても、取引先の一時休業により生産調整が行われたり、アパレルでは夏物衣料の受注減から季節を超えて秋物衣料の製造に移行しているなど、悪影響は業種全体に拡がりを見せている。

<建設業> 民需、公需共に新型コロナウイルス感染症の影響で失速した建設業

 建設業では、他3業種と同様に全DIで悪化になった。災害からの復興に勤しむ地域では、新型コロナウイルス感染症の影響下でも工事量は潤沢にある。しかし、民需では水回り部材の調達難は未だに解消されていないなど、工期に遅れが出ている。また公需では、大手ゼネコンの全面的な工事中止の方針の決定により、現地事務所も閉鎖となり、多くの工事が中止となった。出来高で収入を得ている下請業者には影響が大きく、今後、廃業増の懸念が高まっている。また、今後の工事についても市町村の予算案未決のため先が読めないとの報告があった。

<小売業> 一部事業所を除き、緊急事態宣言により軒並み悪化となった小売業

 小売業は、全DIが悪化となったが他3業種と比べると悪化幅は若干少なかった。緊急事態宣言の影響による内食需要増から、食料品の購入金額が上昇しているほか、来客数減への対応から商材を厳選した結果、売上が伸びているとの声が聞かれた。ただし、食料品を取り扱うスーパーや衛生用品を取り扱うドラッグストアを除く小売業では、各種イベント中止や外出自粛要請などの影響から売上が落ち込んでいるとの報告があった。

<サービス業> リーマン・ショック時を超え、最悪の水準となったサービス業

 サービス業は、3ヶ月連続で全DIが悪化となり、悪化幅は20pt近くとなった。業況DIはリーマン・ショック時の2009年2月期の▲77.2ptを大きく超えた。緊急事態宣言による対象施設への該当非該当が話題となった理・美容業では、そのことが却って利用客増となったとのコメントや、洗濯業では在宅に拠る古着整理等の需要からくる受注が増加傾向にあるとのコメントが見られた。それ以外は、春の行事やGW等の行楽需要がまったくなくなり、飲食業・宿泊業を中心に、新型コロナウイルス感染症の悪影響を示すコメントがほぼすべてを占めた。

全国商工会連合会 政策推進部 事業環境課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

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