小規模企業景気動向調査

令和2年7月期調査

~2ヶ月連続で全業種が改善も、先行き不安な小規模企業景況~

2020年8月28日
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2020年7月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体> 2ヶ月連続で全業種が改善も、先行き不安な小規模企業景況

 7月期の小規模企業の業況DIは、全業種で2ヶ月連続の改善となった。産業全体では、全DIが改善となったが、採算・資金繰りについては小幅な改善にとどまった。6月中旬から県をまたいでの移動が可能になったことや、地域商品券の発行等による消費喚起策の効果もあり、一部地域では売上が回復しつつあるとのコメントがあった。しかし、依然として、新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念される中で、感染防止対策と社会経済活動を両立することは、非常に困難であり、先行きの不安、特に、今後の資金繰りを懸念する声が目立った。

<製造業> 食料品関連の一部が好調も、回復への足取りが重い製造業 

 製造業は、全DIが2ヶ月連続で改善となったが、前月に比べ小幅な改善にとどまった。食料品関連では、一般消費者向けに、巣ごもり需要を捉え、ネット販売等で売上が好調な事業者がいるとの報告があった。一方、輸出依存度が高い業種、特に輸送機器関係の機械・金属製造業では、引き続き生産調整等の影響もあり、受注の回復には程遠い状況である。また、令和2年7月豪雨で浸水等の被害を受けた事業所の中には、稼働停止を余儀なくされているところもあり、厳しい状況が続いている。

<建設業> 2ヶ月連続の改善も、本格的な回復基調とまではいかない建設業

 建設業は、2ヶ月連続で全DIが改善し、資金繰りDI以外は改善幅が6pt以上となった。全般的に、休止中の工事が再開しつつあることや、災害復旧工事の需要があり、徐々に業況が回復している。また、電気設備工事業では、特別定額給付金の影響で、エアコンや換気扇等の取り付け工事が増え、業況が好転している。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、住宅の新築や設備投資といった民間需要が冷え込み、また、長雨や資材調達難の影響で、工期に遅れが出ている等、懸念材料は多く、本格的な回復基調とまではいかない状況である。

<小売業> 全体的には回復基調も、業種・地域等によりまだら模様の小売業

 小売業は、売上・業況DIは回復も、採算・資金繰りDIは悪化となった。食料品関連は、堅調であるものの、天候不順による野菜等の高騰で、採算が悪化している。耐久消費財関連は、特別定額給付金等の影響により好調という声がある一方、購買意欲が落ちているとの声もある。衣料品関連は、消費控えや天候不順で厳しい状況が続いている。ポイント還元事業の終了やレジ袋有料化の影響を懸念するコメントも見られた。

<サービス業> 2ヶ月連続の改善も、いまだ低水準にとどまるサービス業

 サービス業は、全DIで改善したものの、未だ、▲70pt台とリーマンショック時の最悪期の水準を脱していない。洗濯業及び理美容業については、徐々に客足が戻りつつあるとのコメントがあった。宿泊業に関しては、行楽シーズンを迎えたことや、地域の宿泊応援割引やGoToTravelキャンペーン等の効果もあり、宿泊客や予約が増加傾向にあるとの声もあった。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染状況により、客足が大きく左右される状況であり、先行きが不安との声が多く見受けられた。

全国商工会連合会 政策推進部 事業環境課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

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