小規模企業景気動向調査

令和3年7月期調査

緊急事態宣言の長期化により、回復基調から横ばいに転じた小規模企業景況

2021年8月30日
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2021年7月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体> 緊急事態宣言の長期化により、回復基調から横ばいに転じた小規模企業景況

 7月期の小規模企業の業況DIは、わずかな悪化となった。業種別でもサービス業の▲1.5ptが最大と全業種が横ばい傾向となった。前月悪化傾向であった建設業は、ウッドショックの影響が本格化し、他業種も原材料等の高騰により採算DIは悪化傾向にあり、今後も影響を及ぼす可能性がある。一方で、新型コロナウイルス感染症が拡大していく中で、外出自粛による消費減退の傾向が続いている。影響の長期化により、業種に限らず、資金繰りに苦慮する事業者が多く、地域全体の景気にも悪影響を与えている状態とのコメントもあった。

<製造業>4ヶ月連続の回復も、回復の勢いが鈍化した製造業 

 製造業の業況DIは、わずかに改善し、4ヶ月連続の改善となったものの、採算DIが小幅な悪化に転じるなど回復の勢いは鈍化した。機械金属関連では、取引先や部品の分野が限定されている事業者は受注の増減が激しいが、複数分野に対応できる事業者は順調に売上を回復しているとの声があった。また、設備投資は昨年度から比較すると伸びている傾向があるとの情報もあった。一方で、全体的に原材料等の高騰により採算が悪化しており、特に食品製造はコロナ禍の巣ごもり需要で好調も、マンパワーが不足していて生産が追いつかないとの報告もあった。

<建設業> 住宅需要が好調も、ウッドショックの影響が深刻化する建設業

 建設業は、売上DIが小幅な改善となるも、それ以外は小幅な悪化となった。コロナ禍でリモートワークの需要が大きくなった影響か、一戸建てやリフォームなどの受注数が伸びており、住宅関連の業種が好況にあるという報告が多かった。しかし、5月からのウッドショック問題は、全国的に改善の見通しが立たず、仕入れ価格の高騰による影響が深刻化しており、採算や資金繰りが悪化しているというコメントが多数あった。

<小売業>一部業種で季節需要が好調も、低調が続く小売業

 小売業は、全DIが小幅な悪化となった。菓子小売業では、帰省控えの長期を背景として中元などの贈答需要がコロナ前の水準に戻ってきているとの報告があった。また、各地で地域振興券の発行により、小売事業者の売上は増加しているが、効果が限定的であるため、更なる支援策を期待する声が多くあった。自動車販売業では、半導体不足の影響で、新車販売は減少し、中古車販売が増加している。酒小売業については、行政による外出自粛の呼びかけなどによって、需要が未だに低迷しており、厳しい状況が続いている。

<サービス業> 大幅な回復から悪化に転じ、厳しい状況が続くサービス業

 サービス業は、売上・採算DIは小幅な改善、資金繰り・業況DIは小幅な悪化となった。観光シーズンを迎えた旅館業では、特に緊急事態宣言等の対象外地域で、補助金を活用し、感染予防対策を実施する施設が増え、観光客も徐々に増えてきているというコメントがあったものの、緊急事態宣言等の対象から近い地域では引き続き厳しいとの声が多かった。飲食業や理容業では、緊急事態宣言等によって客足の減少が続く中で、協力金や地域の支援金でしのいでいるという声が多く見受けられた。

全国商工会連合会 政策推進部 事業環境課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

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