小規模企業景気動向調査

令和3年9月期調査

大幅悪化から回復に転じるも、感染状況や原材料高など懸念材料が多い小規模企業景況

2021年10月29日
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2021年9月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体> 大幅悪化から回復に転じるも、感染状況や原材料高など懸念材料が多い小規模企業景況

 9月期の小規模企業の業況DIは、小幅な改善となった。全般的に、前年同期と比較しても、まだ本格的な改善には程遠く、いまだ厳しい状況が続いているとの声があった。全国的に行動制限が少しずつ緩和されることから、今後の回復に期待を寄せる事業者が多いとのコメントが目立ったが、一方で冬にかけて昨年同様感染が拡大し、深刻な状況になることを懸念する声も多くあった。また、経済活動の回復の中で、原材料価格の高騰や資材の調達難が、全業種の業況に悪影響を与えているとの声も多数寄せられた。

<製造業>一部業種が好調も、原材料高・人手不足など様々な課題が残る製造業 

 製造業は、業況DIが小幅に改善したが、その他は小幅な悪化となった。食料品関連は、需要はやや回復傾向も、天候不順による原材料価格の高騰が続き、同業の事業者間で仕入競争が激化しており、今後もこの状況が継続する懸念があるとの声があった。繊維関連は、季節ものの受注は動いているが、外出自粛の影響で、業界全体で売上が低迷しているとのコメントが目立った。機械・金属関連は、半導体関連の受注が好調で、繁忙な状態が続いているが、設備の老朽化や人手不足が課題となっているという声があった。

<建設業> 受注は好調も、原材料価格の高騰・資材の調達難により、採算・資金繰りに苦しむ建設業

 建設業は、業況DIは大幅、それ以外は小幅な改善となった。一般住宅工事や土木工事では、ある程度の受注は確保できているが、資材や燃料の価格高騰により、採算や資金繰りが悪化しているとの声が多くあった。また、設備工事関連では、海外からの資材が、コロナ禍の影響でサプライチェーンが寸断されたことにより、納品の目途が立たず、工期の延長が不可避となり、売上が大きく減少したとのコメントが目立った。

<小売業>若干上向きも、低迷から脱却できない小売業

 小売業は、売上額・採算DIは小幅な改善となったが、その他は小幅な悪化となった。食料品関連は、巣ごもり需要である程度売上は確保できているが、天候不順で野菜を始め生鮮食品の仕入価格が高騰した影響や、サービス業に比べ支援施策が少ないこともあり、一部では、資金繰りが逼迫しているというコメントがあった。衣料品関連は、やや上向きであるが、生産調整等の影響による仕入難から機会損失が発生し、売上減少の要因となっている。また、耐久消費財関連は、空気清浄機やエアコン等の需要は引き続き堅調だが、前年同期と比較すると売上が減少したとの声があった。

<サービス業> 大幅な悪化から回復に転じるも、気が抜けないサービス業

 サービス業は、昨月の大幅な悪化から全DIが回復に転じ、特に業況DIは大幅に改善した。GoToキャンペーン等が実施されていた前年同期と比較すると売上は大きく減少したが、宿泊業においては、感染者数の急減等に伴い予約客が増加しているものの、まだまだ気が抜けないというコメントが目立った。飲食業は引続き厳しい状況が続いているが、緊急事態宣言等の全面解除に向けて準備をする姿勢が見られるとのコメントが多く見られた。クリーニング業はコロナ禍における冠婚葬祭の減少や簡略化により、需要が低迷しているとの声もあった。

全国商工会連合会 政策推進部 事業環境課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

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