小規模企業景気動向調査

令和4年4月期調査

規制緩和により一部では好調も、コスト増による採算の悪化で足踏み状態の小規模企業景況

2022年5月27日
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2022年4月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体> 規制緩和により一部では好調も、コスト増による採算の悪化で足踏み状態の小規模企業景況

 4月期の産業全体の業況は、売上額DIが小幅に改善、資金繰りDIが横ばいで、採算・業況DIはわずかな悪化となった。一部業種では、まん延防止等重点措置が解除され、人の流れが戻る中迎えたGWが売上改善の追い風となった。しかし、全業種にわたり、長引く原油及び原材料高騰に加えて、ロシアによるウクライナ侵攻や急激な円安等の事業環境変化で、コストが大幅に増加しており、利益が圧迫されている。事業者は業況の改善を実感できない状況に追い込まれている。特に、建設業では幅広く影響が出ており、今後の動向に注意が必要である。

<製造業> 原材料高騰やコストの増加の影響で、利益率の悪化に苦しむ製造業 

 製造業は、売上・採算DIがわずかに改善、資金繰りDI、業況DIは小幅な悪化となった。食料品関連は、売上は引き続き回復基調も、小麦や油等の価格高騰により採算に苦しみ、業況は芳しくない。機械・金属業は、原材料高騰の影響が大きく、先月に続き採算が悪化しており、価格転嫁が十分にできていないとのコメントがあった。繊維関係は、売上の低迷に加え、原材料高騰やコストの増加が追い打ちをかけており、厳しい状況が続いている。

<建設業> 資材不足による工期遅延、資材価格高騰による採算の悪化に苦しむ建設業

 建設業は、採算・業況DIが10pt超、売上額DIが大幅な悪化となった。採算・業況の悪化幅は昨年のウッドショック時を超え、深刻さがうかがえる。物によっては単価が倍になるという建築資材単価の上昇や資材不足による工期の遅れが採算を圧迫している。また、当初の見積金額から急激に経費上昇したことに伴う契約見直しの発生や、契約済みの工事について契約変更による価格転嫁ができず、苦慮しているとの声があった。

<小売業> 相次ぐ値上げによる消費の冷え込みに苦しみ、悪化に転じた小売業

 小売業は、先月の回復から、売上額・採算DIが大幅、業況DIが小幅な悪化に転じた。食料品関連は、商品価格の値上げが相次いでいることから、消費者が安売り店へ流出したり、買い控えをしているとの声があった。耐久消費財関連は、引き続き半導体不足の中、新車・中古車ともに欠品や納期遅れが生じているのに加え、交換部品の値上がりで採算の悪化が見られるとのコメントがあった。衣料品関係は、人の流れが増え売上も回復しているという声がある一方、引き続き低迷しているとの声もあり、明暗が分かれた。

<サービス業> 規制緩和により旅館関連は好調も、限定的な回復にとどまるサービス業

 サービス業は、売上額・業況DIが先月に続き10pt超の改善、採算・資金繰りDIも改善した。旅館関連は、まん延防止等重点措置の解除や規制なしのGWによって、小規模な旅行者の予約が大きく回復しているとの声があり、先月に引き続き全DIが10pt超回復した。洗濯関連は、引き続き、原油価格高騰の影響を強く受け、採算が悪化しているとの声が多く見られた。理美容関連は、売上は回復傾向にあるが、原材料高騰を受け採算は厳しく、一部には、価格転嫁を検討するものの、競合店が値上げしていないため、顧客離れを恐れ実行できていないとの声があった。

全国商工会連合会 政策推進部 事業環境課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

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