小規模企業景気動向調査

令和6年度1月期調査

高止まりするコストに続き、震災や暖冬の影響で改善傾向に歯止めがかかる小規模企業景況

2024年3月29日
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2024年1月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体>
 高止まりするコストに続き、震災や暖冬の影響で改善傾向に歯止めがかかる小規模企業景況

 1月期の産業全体の景況は、採算DIがわずかに改善し、資金繰りDIが小幅に改善した一方で、業況DIが小幅に悪化し、売上額DIが大幅に悪化。全産業で売上額DIが悪化した。前年同月比で見ると、全DIが改善し、採算・資金繰り・業況DIにおいては2桁ptの改善をしているものの、コスト高騰に加え、一部では震災や暖冬での積雪量減少による影響も見られ、改善傾向に歯止めがかかった。

<製造業>
 業種ごとにバラつきはあるが、引き続き好調を維持する製造業

 製造業は、資金繰りDIが小幅に改善、業況DIが小幅に悪化し、売上額DIが大幅に悪化した。食料品および繊維関連は、売上額DIが大幅に悪化した一方、前年同期比では、売上額DIが2桁pt超の大幅改善と好調であった。人手不足の影響からの機会ロスや、人件費高騰への対応に苦慮しているとのコメントが目立つ。機械・金属関連は、全DIが悪化に転じ、売上額DIが大幅に悪化。メーカーの生産ラインが、調整により停止しているとのコメントがあった。 

<建設業>
 民間・公共事業を中心に好調も、人手不足が深刻化する建設業

 建設業は、売上額DIが小幅に悪化、採算・資金繰り・業況DIは改善を示した。売上額DIは、前年同月と比較すると2桁pt超の大幅改善となった。民間・公共工事ともに受注が増加しており、他業種に比べて好調を維持している。一方で、以前にも増して、人手不足の問題が深刻化しており、思うように売上アップに繋がっていない。能登地震の復興需要が本格化すれば、さらに人材確保難が深刻化するとのコメントがある。

<小売業(衣料品、食料品、耐久消費財)>
 前年比2桁改善も、物価高による消費低迷が課題の小売業

 小売業は、採算DIがわずかに改善した一方で、業況DIが小幅に悪化、売上額DIが大幅に悪化した。前年同月比では売上額は改善している一方で、他業種と比較すると、全DIで弱さがみられる。衣料品及び食料品関連は、売上額・業況DIが大幅に悪化した。高単価商品の買い控えなど、物価高による消費低迷が、大きく影を落としている。耐久消費財関連も売上額DIが大幅に悪化。7期連続でプラスを維持していたが、マイナスに転じた。消費低迷に加え、暖冬による暖房器具等の需要低下がみられる。

<サービス業(旅費、クリーニング、理・美容)>
 震災の影響も見られ、業況回復への道のりは遠いサービス業

 サービス業は、採算・資金繰りDIがわずかに改善した一方で、業況DIが小幅に悪化し、売上額DIは大幅に悪化した。旅館関連は、資金繰りDIがわずかに改善した一方で、売上額・業況DIが大幅に悪化。インバウンド需要は好調だが、能登半島地震により、予約キャンセルが相次いでいる。クリーニング関連は、採算DIが大幅に改善した一方で、売上額DIが大幅に悪化。旅館業での予約キャンセルがリネンの減少に繋がり、売上が減少した、とのコメントがみられた。理・美容関連は、採算・資金繰り・業況DIがわずかに改善した一方で、売上額DIが小幅に悪化。業況は横ばいで推移している。

 

全国商工会連合会 産業政策部 産業政策課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

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