小規模企業景気動向調査

令和6年2月期調査

経済の正常化が進みつつあるが、コスト高騰に価格転嫁が追いついていない小規模企業景況

2024年5月13日
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2024年2月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体>
 経済の正常化が進みつつあるが、コスト高騰に価格転嫁が追いついていない小規模企業景況

 2月期の産業全体の景況は、採算・資金繰り・業況DIが小幅に改善した一方で、売上額DIがわずかに悪化した。インバウンド需要の活発化等を中心として、売上額DIがプラス値を示す業種が増え経済の正常化が進みつつある。資金繰り・採算DIは6期連続で改善しているものの、全業種においてマイナス値で推移しており、コスト高騰に価格転嫁が追いつかない状況が続いている。

<製造業(食料品、繊維、機会・金属)>
 人手不足や価格転嫁等の問題が山積みしている製造業

 製造業は、採算・資金繰り・業況DIが小幅に改善、売上額DIが小幅に悪化した。 食料品関連では、暖冬の影響によりシーズン向けの商品を扱う店舗は売上が伸び悩んでいる。慢性的な人手不足は続いていて苦しい状況。繊維工業関連の事業者は、季節商品の製造時期で、業務量は多いものの採算は悪い。メーカーも物価高の影響で単価を引き上げることが難しいとの話で、価格交渉がうまく進んでいない。機械金属関連の事業者は、受注が減少傾向。  

<建設業>
 災害特需で需要はあるが、材料不足等で稼働率が低下している建設業

 建設業は、採算・資金繰りDIが小幅に改善、業況DIは大幅に改善、売上額DIはわずかに悪化した。 記録的な暖冬で、冬場の除雪を請け負っている建築業者の収入が大きく減少。災害復旧工事等での需要はあるが、工事が一斉稼働したことにより、材料不足が発生している。降雪が少なく、多くの事業者が例年より早く着工でき業況は上向き傾向。年度内での工期終了案件が多く、繫忙期では人手不足で工期の長期化や回転率低下が課題。

<小売業(衣料品、食料品、耐久消費財)>
 売上額DIは悪化も、価格転嫁が進んでいる小売業

 小売業は、採算・資金繰り・業況DIが小幅に改善した一方で、暖冬で季節性商品の売れ行きが落ち込み、売上額DIが小幅に悪化した。 コロナ禍はすべて袋詰めで販売していたが、コロナ前のように量り売りができるようになってきたのは好材料。年末年始消費の反動が2月の売上に影響している。耐久消費財は、電気料金値上げの影響に伴い省エネ家電販売の動きが堅調。各種商品の値上げが進み、必要な商品を必要な数だけ買い上げる顧客傾向にある。

<サービス業(旅館、クリーニング、理・美容)>
 コスト高の影響や価格転嫁に苦慮しているサービス業

 サービス業は、売上額・資金繰りDIがわずかに改善、業況DIが小幅に改善、採算DIがわずかに悪化した。 宿泊業ではインバウンドの影響により売上確保につながっている。クリーニング関連では、設備更新ができていない事業者では、燃費の悪さが経費圧迫の問題となっている。原材料エネルギー価格の高止まりが続き、価格転嫁に苦戦。理・美容関連は昨年比較で好転している。既存店は新規需要獲得が存続の分かれ目となる。

 

全国商工会連合会 産業政策部 産業政策課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

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