小規模企業景気動向調査

令和6年6月期調査

依然として続くコスト高により、後退傾向が加速している小規模企業景況~

2024年9月10日
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2024年6月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体>
 依然として続くコスト高により、後退傾向が加速している小規模企業景況 

 6月期の産業全体の景況は、売上額・業況DIが小幅に低下、採算・資金繰りDIはわずかに低下し、4月期から3期連続で全DIが低下した。特に売上額DIは、プラス値を維持しているものの、直近1年間で最も低いDIとなった。多くの業種において、人流の回復や、インバウンド需要の拡大等のプラス要因がある一方で、コスト高や消費者の節約志向等のマイナス要因の影響の方が大きい状況である。

<製造業(食料品、繊維、機械・金属)>
 価格転嫁に限界を感じている製造業

 製造業は、業況DIがわずかに上昇したが、その他のDIは低下した。また、全業種にて前年同月比で売上額DIが低下した。 食料品関連は、前月から引き続き全DIが低下した。仕入単価・販管費の上昇に価格転嫁が追いつかないというコメントが増えており、特に資金繰りDIは大幅に低下した。機械・金属、繊維工業関連についても、価格転嫁に苦慮しているというコメントが多かったが、前月と同様に受注が回復傾向であるとのコメントも多く、採算・業況DIが上昇した。業種によって景況感に若干の差が見受けられるが、全体として苦しい状況である。  

<建設業>
 需要の高まりに対して、歯がゆい状況が続く建設業

 建設業は、売上額・採算・資金繰りDIが上昇したが、業況DIが大幅に低下した。 全国的な傾向として、民間工事については、新築価格の高騰から新築工事が減少しており、売り上げの増加が見込みづらいというコメントが多かった。また、工事等の引き合いはあるものの、資材価格・人件費の高騰から1件あたりの利益率が低下している状況である。さらに、利益率の低下を補填するため受注数を増やそうにも、人員がおらず断念している事業者が多い。

<小売業(衣料品、食料品、耐久消費財)>
 消費者の節約志向への対応策が問われている小売業

 小売業は、売上額・採算・資金繰りDIがわずかに低下した。 衣料品・食料品関連は共に、全DIが低下した。どちらの業種においても、大手の販売店に価格面で対抗することは難しい中、特に生活必需品ではない衣料品については、節約志向の影響が大きく、販売が低迷している。一方、前月全DIが大幅に低下した耐久消費財関連については、全DIが上昇した。例年より早い記録的な猛暑の影響や、町等の消費喚起策の影響で、エアコン等の売上が伸びた。

<サービス業(旅館、クリーニング、理・美容)>
 旅館関連の不調から、苦しい状況が見えてきたサービス業>

 サービス業は、売上額DIが大幅に低下し、その他のDIは小幅に低下した。 旅館関連は全DIが大幅に低下した。前月からの低下要因としては、ゴールデンウィークの影響が大きく、前年同月比での低下要因としては、全国旅行支援が終了したことにより売り上げが低下したとのコメントがあった。クリーニング、理・美容関連については、固定客の多さから他業種と比較すると安定はしているが、依然として低い水準である。

 

 

全国商工会連合会 産業政策部 産業政策課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

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