小規模企業景気動向調査

令和7年4月期調査

季節要因・GW効果もむなしく、全産業で全てのDIが悪化した小規模企業景況~

2025年7月2日
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2025年4月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体>
 季節要因・GW効果もむなしく、全産業で全てのDIが悪化した小規模企業景況 

 4月期の産業全体の景況は、全てのDIが小幅に低下し、前年同月比でも建設業の一部の項目を除き、全DIが低下した。サービス業のようなインバウンド需要の恩恵を受けやすい業種では、売上が好転しているとの声が見られたものの、産業全体で消費マインドの低下が著しく、また、米国の関税政策により、受注量を抑制される等の影響が出ているという声もあった。

<製造業(食料品、繊維、機械・金属)>
 米国の関税政策の影響もあり、目下の課題が山積する製造業

 製造業は、売上額DIが大幅に低下、採算・業況DIは小幅に低下し、資金繰りDIはわずかに低下した。機械・金属関連では、米国関税政策による受注減少等の影響が見込まれる、あるいは受けているとの声があった。食料品関連では原材料価格の高騰に対応しきれていない事業者が多く、繊維関連では人手不足の影響が大きいという声もあるなど、業種ごとで特筆すべき課題が分かれる結果となった。  

<建設業>
 資材コスト上昇や人手不足が深刻化する中、利益確保への対応が求められる建設業

 建設業は、売上額・業況DIが大幅に低下し、採算・資金繰りDIは小幅に低下した。前年同月比では採算DIがわずかに上昇。価格転嫁を進める事業者もいるが、資材高騰や人手不足の深刻化により、依然として収益の確保が困難な事業者が多い。また、金利引上げの動きや年度末需要の落ち着きもあり、着工数が減少しているとの声もある。売上額DIはプラス値を維持するものの、2月期から2カ月連続での低下となり、先行きには不安が残る。

<小売業(衣料品、食料品、耐久消費財)>
 前月の業況改善から一転、物価高の影響に苦しむ小売業

 小売業は、売上額・採算・業況DIが大幅に低下し、資金繰りDIは小幅に低下した。特に衣料品・食料品関連では、生活必需品として価格転嫁が難しい状況。また、仕入価格が高騰する一方、大型店舗との価格競争や消費者の節約志向により顧客離れが進み、廃業を余儀なくされる事業所も散見された。耐久消費財関連では、エネルギー価格の上昇が消費者の省エネ意識を喚起するなど、業況の好転を示す声も見られた。

<サービス業(旅館、クリーニング、理・美容)>
 インバウンドや季節要因によって明暗が分かれたサービス業

 サービス業は、全てのDIがわずかに低下した。前年同月比では売上額・採算・業況DIの低下が顕著であり、前年と比較しても悪化の傾向が強まっている。旅館関連では、地域によってインバウンド需要の恩恵を受けるか否かが分かれる結果となった。クリーニング及び理・美容業関連では、事業者数は増加する一方、特に地方における人口減少や顧客の利用頻度の低下に加え、価格競争にさらされており、収益の確保が厳しい状況にある。

 

 

全国商工会連合会 産業政策部 産業政策課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

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