小規模企業景気動向調査

令和7年8月期調査

緩やかな回復が続く中、利益確保が鍵となる小規模企業景況 ~

2025/10/29
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2025年8月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体>
  緩やかな回復が続く中、利益確保が鍵となる小規模企業景況

  8月期の産業全体の景況は、売上額DIが小幅に上昇、資金繰り・業況DIはわずかに上昇し、採算DIは不変だった。資金繰り・業況DIは5月期から4ヶ月連続で上昇。コスト高や人手不足に苦しむ小規模事業者が多い中、最低賃金額改定目安が公表され、さらなる人件費の上昇を懸念する声が散見されたことにより、産業全体としては緩やかな回復に留まった。

<製造業(食料品、繊維、機械・金属)>
  一時的回復から継続的改善へ期待が高まる製造業

  製造業は、売上額DIが大幅に上昇、採算・業況DIは小幅に上昇し、資金繰りDIはわずかに上昇した。季節需要等の影響により、10ヶ月ぶりに全DIが上昇したが、売上額を除き、前年同月を上回るまでには至らなかった。繊維関連は、季節需要等から売上を維持しているが、人件費や仕入価格上昇等に苦しむ状況が続いている。一方、小ロットの注文等、受注は安定しているとの声もあり、小規模事業者ならではの取組が期待される。

<建設業>
  堅調な需要の中、人手不足・人件費増加への対応が急がれる建設業

  建設業は、資金繰りDIが小幅に上昇、売上額・業況DIはわずかに上昇し、採算DIはわずかに低下した。売上額DIとしては5月から3ヶ月連続で上昇も、資材高騰や人手不足による外注依存により採算は悪化した。各地で災害が多発する中、被災地での復旧支援により、稼働が高水準で推移しているとの声も聞かれており、需要は堅調であるが、設備投資による省力化や業務効率化等、人手不足及び人件費増加への対処が求められる。

<小売業(衣料品、食料品、耐久消費財)>
  物価高による消費低迷から、回復の機運に乗り切れない小売業

  小売業は、売上額DIがわずかに上昇、資金繰り・業況DIはわずかに低下し、採算DIは小幅に低下した。衣料品・食料品関連は、季節需要により、売上額DIは上昇したが、長引くコスト高の影響で、継続的な価格改定が難しい。また、消費者の節約志向が続いており、採算や資金繰りの悪化を示すコメントが散見された。耐久消費財関連は、好調の声も散見されたが、猛暑による外出控えや仕入価格上昇等により、売上額・採算DIは低下した。

<サービス業(旅館、クリーニング、理・美容)>
  旅館関連がけん引するも、コスト高に苦しむサービス業

  サービス業は、売上額・資金繰り・業況DIが小幅に上昇、採算DIはわずかに上昇した。継続するインバウンド需要に季節行事等が重なり、サービス業全体で5ヶ月ぶりに全DIが上昇。特に旅館業は、4ヶ月月ぶりに業況DIがプラス値となった。反面、原材料価格等の高止まりは継続しており、旅館や理・美容関連では、猛暑による電気コスト増に苦しむ声も散見された。外部環境に依存しない持続可能な収益構造の構築が急務である。

 

 

全国商工会連合会 産業政策部 産業政策課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

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