小規模企業景気動向調査
令和7年9月期調査
~ 現状維持の中、最低賃金引上げの対応が迫られる小規模企業景況 ~
2025/12/10
全国商工会連合会
<調査概要>
調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2025年9月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式
<産業全体>
現状維持の中、最低賃金引上げの対応が迫られる小規模企業景況
9月期の産業全体の景況は、売上額・採算・資金繰りDIは不変、業況DIが5か月ぶりにわずかに低下する等、全体としては横ばいでの推移となった。建設業を除く多くの業種で価格転嫁の進展が見られない中、10月から半数近くの都道府県で最低賃金が引き上げられることによるコスト増への不安が高まっている事業者の声が多数寄せられた。
<製造業(食料品、繊維、機械・金属)>
全項目でわずかに改善を示すも、持続性に注視が必要な製造業
製造業は全DIがわずかに上昇した。2025年8月期に続いて2か月連続の改善となった。調査対象である食料品、繊維、機械金属のいずれも上昇傾向を示しており、特に機械金属では全DIが前月比でやや高い伸びを示した。一方で、原材料価格の高止まりや人手不足に関する懸念も多く寄せられており、今回の上昇が持続的な回復につながるかどうかは不透明である。今後も引き続き動向を注視する必要がある。
<建設業>
価格転嫁が進む一方、人手不足やコスト高が課題となる建設業
建設業は、資金繰りDIが小幅に上昇、売上額・業況DIはわずかに上昇し、採算DIはわずかに低下した。売上額DIとしては5月から3か月連続で上昇も、資材高騰や人手不足による外注依存により採算は悪化した。各地で災害が多発する中、被災地での復旧支援により、稼働が高水準で推移しているとの声も聞かれており、需要は堅調であるが、設備投資による省力化や業務効率化等、人手不足及び人件費増加への対処が求められる。
<小売業(衣料品、食料品、耐久消費財)>
物価高による消費低迷から、回復の機運に乗り切れない小売業
小売業は、売上額が小幅に低下、採算DIは小幅に上昇、資金繰りDIは不変、業況DIはわずかに低下となった。衣料品では全DIが前月比3ポイント以上の低下となり、9月も続いた30度超の猛暑により、来店頻度の伸び悩みや秋物販売の減少が要因とみられる。食料品についても価格の上昇が続いており、10月には新たに3000品目超が値上げされることから、消費者の節約志向が一層強まり、消費低迷が続く懸念がある。
<サービス業(旅館、クリーニング、理・美容)>
観光需要一服し、コスト高で収益悪化が続くサービス業
サービス業は、売上額・業況DIが小幅に低下、採算・資金繰りDIはわずかに低下した。8月期に全DIが上昇した反動もあり、9月期は全体としてやや弱含みの結果となった。特に旅館関連では、前月比・前年同月比ともに全DIが低下しており、観光需要の一服感が見られる。一方で、節約志向の高まりがみられる中、今後の観光シーズンにおける需要回復への期待は依然として残っている。
全国商工会連合会 産業政策部 産業政策課




















