小規模企業景気動向調査
令和8年4月期調査
~ 中東情勢の影響が全産業に広がり、売上額・採算・業況が大幅に悪化した小規模企業景況 ~
2026/5/29
全国商工会連合会
<調査概要>
調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2026年4月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式
<産業全体>
中東情勢の影響が全産業に広がり、売上額・採算・業況が大幅に悪化した小規模企業景況
4月期の産業全体の景況は、売上額・採算・業況DIが大幅に低下し、資金繰りDIも小幅に低下した。中東情勢の一段の不安定化に伴い、石油関連製品の確保が一層難しくなっている。また、調達できた場合でもコストが大幅に上昇している。小規模事業者の経営環境は厳しさを増しており、今後の事業継続に懸念を示す声が多数寄せられた。
<製造業(食料品、繊維、機械・金属)>
売上額がわずかに上昇も、B to Bにおける価格転嫁が進まぬ製造業
製造業は、売上額DI がわずかに上昇し、採算DI・資金繰りDI が小幅に 低下し、業況DI が大幅に低下した。内訳を見ると、繊維関連の売上額DI は 12.5 ポイント上昇し、繊維関連の採算DI と機械・金属関連の売上額DI も小 幅に上昇した。一方、その他のDI はすべて低下した。背景として、ナフサ由 来の原材料価格の高騰に加え、特にB to B取引では価格交渉が難航し、価 格転嫁が円滑に進まないとの声が多く寄せられた。他方、食料品関連では、 為替の円安進行に伴う輸入代替需要の高まりにより、業績が改善傾向にあ るとの声もみられた。
<建設業>
売上額・採算・資金繰りが悪化し、工期延長等の影響で、収益・資金面に課題が残る建設業
建設業は、売上額DIが16.3ポイント、採算DIが12.8ポイント、業況DIが17.4ポイント低下し、資金繰りDIも大幅に低下した。売上額DIの低下幅を上回って業況DIが悪化しており、前年同月比でも25.4ポイントのマイナスとなるなど、厳しい状況がうかがえる。事業者からは、シンナーや塗料の不足に伴う工事停止により、今後の資金繰りや事業継続に強い危機感を抱く声がみられた。加えて、建設資材価格の大幅な上昇で採算が見込みにくく、先行きが見通せないとの声も寄せられた。
<小売業(衣料品、食料品、耐久消費財)>
売上額・業況が大幅に低下し、価格転嫁にジレンマのある小売業
小売業は、売上額DIと業況DIが大幅に低下し、採算DIは小幅に低下、資金繰りDIはわずかに低下した。背景には、商品の仕入単価上昇が収益を圧迫していることがある。一方で、消費者の買い控えや節約志向が強く、十分な価格転嫁が難しいとの声がみられた。価格転嫁を抑えれば収益が悪化し、転嫁を進めれば客離れが懸念されるというジレンマに直面しているとの指摘も寄せられた。
<サービス業(旅館、クリーニング、理・美容)>
売上額・資金繰りが低下し、価格転嫁が困難なサービス業
サービス業は、売上額DIと資金繰りDIがわずかに低下し、採算DIと業況DIは小幅に低下した。全体として、価格転嫁の難しさを指摘する声がみられた。クリーニング関連と理・美容関連では、ナフサ由来の原材料や関連製品の値上がりにより、コストが大幅に増加しているとの声が寄せられた。旅館関連ではインバウンド効果による売上額・資金繰り・業況の改善を指摘する声がある一方、理・美容関連では顧客の来店頻度の低下を懸念する声もみられた。
全国商工会連合会 中小企業問題研究所




















