小規模企業景気動向調査
令和8年5月期調査
~ 資材確保と価格転嫁に苦しみ、厳しさが続く小規模企業景況 ~
2026/6/26
全国商工会連合会
<調査概要>
調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2026年5月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式
<産業全体>
資材確保と価格転嫁に苦しみ、厳しさが続く小規模企業景況
5月期の産業全体の景況は、売上額・採算DIがわずかに低下し、資金繰り・業況DIは横ばいに推移した。全業種で、原材料価格やエネルギー価格の高騰、資材調達難による収益圧迫の声が引き続き多く見られる。価格転嫁により収益を確保したとの声も散見されるが、厳しい経営環境が続いており、資材確保と価格転嫁が引き続き課題となっている。
<製造業(食料品、繊維、機械・金属)>
売上額は小幅に悪化も、価格転嫁による持ち直しがみられる製造業
製造業は、売上額DIが小幅に低下し、採算DIはわずかに、資金繰り・業況DIは小幅に改善した。食料品や機械・金属関連では、受注の増加や価格転嫁により一定程度売上・採算を維持できているとの声がある一方、原材料や燃料価格の上昇分を十分に転嫁しきれず、収益の圧迫が続いているとの声が多くみられた。石油関連資材の供給不安や価格高騰が続く中、引き続き、資材の確保と価格転嫁が課題となっている。
<建設業>
需要はあるものの、資材の供給不足により収益確保と資金繰りに苦しむ建設業
建設業は、売上額・採算・資金繰り・業況DIのすべてが小幅に低下した。 公共工事や住宅関連工事で需要はあるものの、塗料や塩ビ管など、資材の供給不足による工期の延長や工事の停止、新規受注の断念が続き、売上や採算の確保が厳しさを増している。更に、人件費や外注費の上昇が収益を圧迫しているとの声も多く、資材の確保と併せて運転資金の確保も課題となっている。
<小売業(衣料品、食料品、耐久消費財)>
一部で売上が回復も、厳しい状況が続く小売業
小売業は、売上額・業況DIが小幅に、採算DIはわずかに改善し、資金繰りDIは不変となった。衣料品では、仕入れ価格の上昇が収益を圧迫している。食料品では、需要の確保と価格転嫁により売上や採算を維持する動きが見られる一方、仕入価格の上昇が収益を圧迫している。耐久消費財では、季節需要と商品券発行による需要が、利益の確保に寄与したとの声もあるが、全体としては消費者の節約志向により、厳しい状況が続いている。
<サービス業(旅館、クリーニング、理・美容)>
一部で需要回復も、収益面確保に課題が残るサービス業
サービス業は、売上額・採算・資金繰りDIがわずかに低下し、業況DIは不変となった。旅館関連では、仕入れ価格上昇の影響はあるものの、観光需要の回復により売上が好転したとの声が散見された。クリーニングや理・美容関連では、石油関連製品の供給不安と価格高騰が採算を圧迫する中、顧客離れへの懸念から価格転嫁が難しい状況もあり、業界内で景況が二極化している。
全国商工会連合会 中小企業問題研究所




















