小規模企業景気動向調査

令和5年度4月期調査

コロナ禍前の景況感に戻りつつあるも、コスト高と人手不足が深刻化する小規模企業景況

2023年5月29日
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2023年4月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体> コロナ禍前の景況感に戻りつつあるも、コスト高と人手不足が深刻化する小規模企業景況

 4月期の産業全体の業況は全DIが改善した。コロナウイルス感染症の5類入り報道を皮切りに、業種によってはコロナ禍前の景況感に戻りつつある。価格転嫁が進み売上が増加し始めた業種もある一方で、コスト高や人手不足の問題がより深刻化している業種もある。また、一部事業者では、客足が戻り始め盛況ではあるが、仕入れ先等が廃業し、代替え業者が見つからず頭を悩ませている、とのコメントも見られた。

<製造業> 価格転嫁が進み始めるも、高騰の続くコストに苦しめられる製造業 

 製造業は、採算DIは大幅に改善、売上額・資金繰り・業況DIは小幅に改善した。コスト高は続いているものの、価格転嫁が進み、売上額DIはプラス水準を維持している。食料品関連は、連休での需要を見越した受注増加から、全DIが大幅に改善し、採算DIは2桁ポイントの改善となった。繊維関連は、資金繰りDIのみ小幅に改善し、その他DIは悪化した。機械・金属関連は、採算DIが大幅に改善した一方で、売上額・業況DIは小幅に悪化した。半導体不足が落ち着いてきたが、コスト高騰で苦しい状況が続いている、とのコメントがあった。

<建設業> 仕入単価の上昇と外注費の増加により、工事原価が高止まりする建設業

 建設業は、資金繰りDIが大幅に改善し、採算・業況DIも小幅に改善したが、売上額DIはわずかに悪化した。一部事業者では受注が安定しつつあるものの、コロナ禍のような受注減少を危惧し、採算が合わなくとも請け負ってしまう、とのコメントがあった。また、資材の高騰から仕入れ単価の上昇と、人手不足から受注の抑制や外注費の増加も起きており、工事原価が高止まりしている。業界において非課税事業者が多く、インボイス発行事業者登録に伴う負担額を価格転嫁できない状態にある、とのコメントも見られた。

<小売業> 物価高による消費の鈍化から、回復の機運に乗り切れない小売業

 小売業は、全DIが小幅に改善した。コスト高騰から、一部業種では価格転嫁が進み、売上額DIはコロナ禍に比べると持ち直しているが、採算DIは低い水準で推移している。衣料品関連は、全DIが悪化し、特に採算・業況DIが大幅に悪化。物価高の中で、生活必需品に比べて優先順位が低く、消費需要が鈍化している。食料品関連は、全DIが大幅に改善し、売上額・採算DIともに2桁ポイント改善した。耐久消費財関連は、採算・資金繰り・業況DIが大幅に改善し、特に業況DIは2桁ポイントの改善となった。

 

<サービス業>活気を取り戻す中で、人員不足による機会ロスが起き始めたサービス業

 サービス業は、全DIが改善し、売上額・資金繰り・業況DIは大幅に改善した。旅館関連は、全DIが改善し、売上額・業況DIは2桁ポイントの大幅な改善となったが、コロナ禍での人員整理の影響から、稼働率を上げられない状況に陥っている。クリーニング関連は、入学・進学や衣替えシーズンとなったことから、全DIが大幅に改善し、業況DIは2桁ポイント改善。理・美容関連は、外出機会の増加により、売上額・採算DIは小幅に改善し、資金繰り・業況DIは大幅に改善し持ち直しの動きが見られた。

 

全国商工会連合会 産業政策部 産業政策課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

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