小規模企業景気動向調査

令和5年度9月期調査

不安定な売り上げが続き、先行きに不透明感が強い小規模企業景況

2023年11月7日
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2023年9月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体> 不安定な売り上げが続き、先行きに不透明感が強い小規模企業景況

 9月期の産業全体の景況は、前月に比べて採算・資金繰りDIがわずかに改善したものの、売上額DIが小幅に悪化、業況DIはわずかに悪化した。一時的な売上回復とその反動減で売上が安定しない。取引先の業績悪化のため、売上が回復しない店舗もある等のコメントが見られた。大企業製造業の景況感は堅調さがある一方、小規模事業者の景況感は力強さに欠け、先行きに対する不透明感が依然として強い。

<製造業(食料品、繊維、機械・金属)> 生産が安定せず、売り上げ回復を図ることができない製造業 

 製造業は、売上額DIが小幅に悪化し、採算DIがわずかに悪化した。取引先の廃業から、経営に苦慮しているとのコメントが目立った。食料品関連は、業況DIが小幅に改善した一方で、資金繰りDIが大幅に悪化。猛暑での原材料不足から生産が伸ばせず、売上額DIは5期連続で悪化した。繊維関連は、資金繰りDIは小幅に改善したが、売上額・採算・業況DIが大幅に悪化した。業界として小ロットでの注文が増えており、売上高は伸び悩んでいる。機械・金属関連は、採算・資金繰りDIが小幅に改善したが、売上額DIは小幅に悪化し、前年同月比を下回った。

<建設業> 受注減少と人手不足が相まって、業況回復への道のりが遠い建設業

 建設業は、採算・資金繰りDIが大幅に改善した一方で、売上額・業況DIが小幅に悪化した。売上額・業況DIは2期連続で悪化。人手不足から、高齢で退職した職員を再雇用する事業者もいる。顧客側で資材の高騰を見越し新築の発注が減っている、とのコメントがみられた。前年同月と比較すると、採算DIは2桁ポイント改善しているが、その他DIは5ポイント以内の改善に留まり、業況回復への道のりは遠い。

<小売業(衣料品、食料品、耐久消費財)> 長引く酷暑と物価高による買い控えで、全DIが悪化した小売業

 小売業は、全DIが小幅に悪化。売上額DIは2期連続、採算・業況DIは 3期連続で悪化した。衣料品関連は、全DIが悪化し、特に採算・資金繰り・業況DIが大幅に悪化した。残暑が長引いているため、秋物衣料の仕入を抑えている、とのコメントがあった。食料品関連は、資金繰りDIがわずかに改善し、売上額DIが小幅に悪化した。酷暑により野菜の日焼け等が生じ、商品の入りが少ないとのコメントがあった。耐久消費財関連は、電化製品の買い控えが起きており、売上額・資金繰り・業況DIが小幅に悪化した。

 

<サービス業(旅費、クリーニング、理・美容)>

 サービス業は、採算・業況DIがわずかに改善し、売上額DIが小幅に悪化、資金繰りDIがわずかに悪化した。旅館関連は、全DIが悪化し、売上額・採算・資金繰りDIは小幅に悪化した。人手不足による機会ロスが、業績回復に影響を与えている。コスト高騰分の価格転嫁が進んでいない、とのコメントが見られた。クリーニング関連は、全DIが改善。特に業況DIが大幅に改善した。ホテルのリネンや、浴衣・法被等夏のイベント関連需要があった。理・美容関連は、採算・資金繰りDIがわずかに改善し、売上額DIが小幅に悪化。先月から横ばいの状態である。

 

全国商工会連合会 産業政策部 産業政策課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

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