小規模企業景気動向調査

令和5年度12月期調査

一部で景気改善に一服感がみられるも、直近1年で最高値を示した小規模企業景況

2024年2月21日
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2023年12月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体>
 一部で景気改善に一服感が見られるも、直近1年で最高値を示した小規模企業景況

 12月期の産業全体の景況は、全DIが改善し、直近1年間で最も高い数値を記録した。サービス業や、一部の業種で景気改善に一服感がみられるものの、コロナ5類移行初めての年末需要の増加が、製造業、小売業を中心に全体を大きく引き上げる結果となった。未だ原材料高騰やコスト高の影響は続くが、長期にわたり影響を及ぼした新型コロナウィルス感染症による景気低迷期は脱したと判断できる。

<製造業(食料品、繊維、機械・金属)>
 慢性的なコスト高の影響を受けるも、稼働率上昇の好調な製造業 

 製造業は、売上額・採算・業況DIが大幅に改善。全DIが、直近1年で最高値を示した。食料品関連は、年末年始の需要増により、全DIが大幅に改善した。繊維関連は、売上額・採算DIが小幅に改善した一方で、資金繰りDIが小幅に悪化。円安によるコスト増の影響が慢性化している。機械・金属関連は、全DIが直近1年で最高値を示した。昨年に比べ受注増加の傾向がみられるが、一部にダイハツ工業株式会社の不正問題による売上減少のコメントが散見される。

<建設業>
 民間事業を中心に受注は堅調も、経費支出の増加から、資金繰りに苦慮する建設業

 建設業は、売上額・採算DI・業況DIが直近1年間で最高値を示す一方で、資金繰りDIは悪化に転じた。リフォーム需要等の民間工事が増加しており、受注は比較的堅調を維持している。しかしながら、工事完了後に収入が生じることから、原材料高騰やコスト高で増大した支出が、先行して生じることによって、収支のバランスが崩れ、融資相談が増加している、とのコメントが目立つ。また、人手不足が慢性化しつつある。

<小売業(衣料品、食料品、耐久消費財)>
 年末需要の増加から、衣料・食料品が全体を引き上げた小売業

 小売業は、売上額・採算・業況DIが大幅に改善。全DIが、直近1年で最高値を示した。衣料品関連は、売上額DIが大幅に改善、採算・資金繰り・業況DIが小幅に改善した。冬物衣料が概ね好調に推移しており、売上額DI が、直近1年間で初めてプラスに転じた。食料品関連は、年末の需要増で、全DIが大幅に改善し、好調であった。耐久消費財関連は、採算DIが大幅に改善した一方で、その他のDIが減少に転じた。暖冬の影響により、例年に比較して暖房器具の売上が鈍い、とのコメントが目立つ。

 

<サービス業(旅費、クリーニング、理・美容)>
 好調を維持するも、やや景気に一服感がみられるサービス業

 サービス業は、全DIが悪化した。他の業種と比較し、DIの減少幅が小さく、好調を維持していたが、景気はやや一服感がみられる。旅館関連は、全DIが悪化し、特に売上額・業況DIが大幅に悪化。訪日需要はあるものの、旅行支援施策の終了に伴い、国内客が減少傾向である。また積雪量が少ないことで、ウインタースポーツ関連の旅行需要低下を招いている。クリーニング関連は、大幅な悪化ではないものの、全DIが悪化し、業況改善に失速感がみられる。理・美容関連は、年末需要の繁忙期から全DIが改善した。大きな改善はみられないものの、緩やかな改善が続く。

 

全国商工会連合会 産業政策部 産業政策課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

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