小規模企業景気動向調査
平成25年6月期調査
~回復基調から足踏み状態となった小規模企業景況~
2013年7月30日
全国商工会連合会
<調査概要>
調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2014年6月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式
<産業全体> ◇…回復基調から足踏み状態となった小規模企業景況…◇
6月期の小規模企業景気動向調査では、産業全体の売上額および採算DI(景気動向 指数・前年同月比)は若干改善したものの、資金繰り、業況DIは不変であった。経営指導員からは、全般的に資金需要は低調であるものの、一部地域で設備資 金の融資相談が増加し始め、新規事業や開業に関する相談も増加しているとの改善傾向を示す報告があった。
<製造業> ◇…業況に大きな動きはないが、原材料価格高騰等の影響が足かせとなっている製造業…◇
製造業は、売上額および採算DIは若干改善したものの、資金繰り、業況DIは不変であった。経営指導員から、好転材料としては、自動車関連が好調 で安定した受注を確保している企業があるとの報告があった。また、悪化材料としては、機械・金属関連や食料品関連で、原材料価格や燃料費の高騰、電気料金 の値上げにより、採算が取れず資金繰りが悪化しているとの報告があった。
<建設業> ◇…消費増税前の駆け込み需要で、住宅関連を中心に好調が続く建設業…◇
建設業は、売上額および採算DIは多少改善したものの、資金繰り、業況DIは不変であった。経営指導員からは、好転材料として、1.住宅・マンション関連で、消費税率の引上げを見据え新築やリフォームの受注が増加し多忙、2.災害復旧工事や道路建設工事などの発注が堅調などの報告があった。ま た、悪化材料としては、1.公共工事の減少、2.作業員不足による工期の遅れなどが懸念されるなどの報告があった。
<小売業> ◇…季節要因で明るい動きがあるものの、伸び悩む小売業…◇
小売業は、売上額および採算DIは小幅な改善となったものの、資金繰り、業況DIは不変であった。経営指導員から、好転材料としては、1.夏場に 向けてエアコンや冷蔵庫、飲料などの売上が増加、2.消費税率の引上げを見据え、高額の省エネ家電の売上が増加などの報告があった。また、悪化材料として は、1.衣料品関連で消費者の買い控えにより夏物の動きが鈍い、2.食料品関連で仕入価格のさらなる上昇を懸念するなどの報告があった。
<サービス業> ◇…原油価格の高騰や消費者の節約志向の影響がみられるサービス業…◇
サービス業は、売上額および採算DIは多少悪化したものの、資金繰りDIは不変で、業況DIは若干悪化した。経営指導員から、好転材料としては、観光関 連、宿泊関連で、天候に恵まれたことにより売上が増加したとの報告があった。また、悪化材料としては、1.クリーニング関連で原油価格の高騰により採算が 取れない、2.理美容業で節約志向からカットのみで済ませる客が増えるなど、客単価が低下しているなどの報告があった。