小規模企業景気動向調査
平成25年7月期調査
~再び回復基調となった小規模企業景況~
2013年8月27日
全国商工会連合会
<調査概要>
調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2014年7月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式
<産業全体> ◇…再び回復基調となった小規模企業景況…◇
7月期の小規模企業景気動向調査では、産業全体の売上額、採算、資金繰りおよび業 況DI(景気動向指数・前年同月比)はいずれも小幅な改善となった。経営指導員から、好転材料としては、1.建設業における受注の増加や宿泊関連における 利用客の増加などから景気回復の兆しが伺える、2.営業用車両の購入など、積極的な設備投資がみられるなどの報告があった。また、金融機関の対応として は、融資姿勢に変化はないとの報告が多かったものの、一部地域で事業計画書の作成を求められるなど、融資姿勢が厳しくなっているとの報告もあった。
<製造業> ◇…業況に大きな動きはなく、引き続き原材料価格高騰の影響がみられる製造業…◇
製造業は、売上額および採算DIは不変で、資金繰りDIは若干改善したものの、業況DIは不変であった。経営指導員から、好転材料としては、自動 車関連や建設機械関連で受注が増加しており好調であるとの報告があった。また、悪化材料としては、1.食料品関連で、小麦や野菜などの原材料価格が高騰 し、販売価格に転嫁できないため採算が取れない、2.機械・金属関連で、受注は増加しているものの、請負単価が安く売上の増加には繋がっていないなどの報 告があった。
<建設業> ◇…公共工事の発注増・消費増税前の駆け込み需要により、引き続き好調な建設業…◇
建設業は、採算DIは大幅な改善、売上額および資金繰りDIは小幅な改善で、業況DIは若干改善した。経営指導員から、好転材料としては、1.住 宅関連で、引き続き消費増税前の駆け込み需要により受注が増加し活況である、2.公共工事で、河川工事など土木関連を中心に受注が増加しているなどの報告 があった。また、悪化材料としては、建築資材の値上りにより採算が取れないとの報告があった。
<小売業> ◇…猛暑等の効果で持ち直した小売業…◇
小売業は、売上額、採算および資金繰りDIは多少改善し、業況DIは小幅な改善となった。経営指導員から、好転材料としては、1.暑さの影響により、飲料水やアイス、エアコン、夏物衣料の売上が増加した、2.お中元など贈答品の売上が増加したなどの報告があった。また、悪化材料としては、1.食料 品関連で、野菜の仕入価格が上昇し採算が取れない、2.大手チェーン店やコンビニによる宅配サービスとの競争が激しいなどの報告があった。
<サービス業> ◇…夏の行楽シーズンを迎え、宿泊業を中心に改善傾向にあるサービス業…◇
サービス業は、売上額、採算および資金繰りDIは多少改善し、業況DIは小幅な改善となった。経営指導員から、好転材料としては、1.宿泊関連で、夏休み に入り観光客や合宿による利用客が増加し売上が増加した、2.観光関連で、キャンプ場やマリンスポーツ関連の客足が伸び売上が増加したなどの報告があっ た。また、悪化材料としては、クリーニング業で、燃料代やビニール袋・洗剤などの材料代の高騰により採算が取れないとの報告があった。