小規模企業景気動向調査

平成26年2月期調査

～わずかに持ち直したものの、踊り場にある小規模企業景況～

2014年3月27日
全国商工会連合会

＜調査概要＞

調査対象：全国約300商工会の経営指導員

調査時点：2014年2月末

調査方法：対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

＜産業全体＞ ◇…わずかに持ち直したものの、踊り場にある小規模企業景況…◇

　2月期の小規模企業景気動向調査では、産業全体の売上額DI（景気動向指数・前年 同月比）はわずかに悪化したものの、採算、資金繰りおよび業況DIはわずかに改善した。経営指導員からは、消費増税を前に、駆け込み需要の増加や、一部地 域で設備投資に関する相談の増加が見られるなど改善を示す報告があった一方で、記録的な大雪による被害や販売損失が大きかったとの報告もあった。また、消 費増税を目前に控え、増税後の反動や、価格転嫁できるか懸念する報告もあった。

＜製造業＞　◇…売上の減少がひびき、引き続き足踏み状態の製造業…◇

　製造業は、売上額DIは小幅に悪化したものの、採算および資金繰りDIはわずかに改善し、業況DIは不変であった。経営指導員から、好転材料とし ては、1.自動車関連で、販売台数が引き続き増加しており、受注が堅調である、2.工作機械関連や機械部品関連で、消費増税前の駆け込み需要により受注が 増加し、多忙となっているなどの報告があった。また、悪化材料としては、1.繊維関連で、大手メーカーからの受注が減少している、2.印刷業で、燃料費の 値上げによりコストが増加し採算が取れないなどの報告があった。 


＜建設業＞　◇…費用の増加、駆け込み需要の減退により踊り場にある建設業…◇

　建設業は、売上額、資金繰りおよび業況DIは多少改善したものの、採算DIは不変であった。経営指導員から、好転材料としては、1.公共工事関連 で、年度末の需要期で発注が増加している、2.住宅関連で、消費増税前の駆け込み需要により、引き続き受注が好調である、3.大雪被害による住宅復旧工事 の受注が増加しているなどの報告があった。また、悪化材料としては、1.職人不足のため工期が遅れたり、外注費が増加し採算が取れない、2.一部地域で、 住宅関連を中心にみられる駆け込み需要が減退してきたなどの報告があった。

＜小売業＞　◇…駆け込み需要により景況感は明るいものの、厳しい小売業…◇

　小売業は、業況DIは小幅に改善したものの、売上額、採算および資金繰りDIは不変であった。経営指導員から、好転材料としては、消費増税前の駆 け込み需要により、白物家電やパソコン、自動車の売れ行きが良かったとの報告があった。また、悪化材料としては、1.衣料品関連で、通信販売の普及に加 え、大雪で客足が鈍かったため売上が減少した、2.食料品関連で、生鮮食料品などの仕入価格が引き続き上昇し、採算がとれない、3.衣料品関連や食料品関 連で、スーパーや量販店への顧客流出に歯止めがかからず、小規模店は、消費増税前の駆け込み需要を取り込むことができないなどの報告があった。

＜サービス業＞　◇…大雪など季節要因や消費の低迷の影響を受け、悪化が続くサービス業…◇

　サービス業は、売上額、資金繰りおよび業況DIは多少悪化したものの、採算DIは不変であった。経営指導員から、好転材料としては、1.観光関連で、降雪 があったためスキー場の客足が好調であった、?鉄工運送関連で、消費増税を前に、機械設備投資などが増加している影響で、多忙となっているなどの報告が あった。また、悪化材料としては、1.宿泊関連で、大雪の影響によりキャンセルが相次ぎ、売上が減少した、2.理美容業は寒い季節で、客数が減少し売上が 低下しているなどの報告があった。