小規模企業景気動向調査
平成27年5月期調査
~ 緩やかながらも回復の動きが続いた小規模企業景況 ~
2015年6月24日
全国商工会連合会
<調査概要>
調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2015年5月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式
<産業全体> ◇…緩やかながらも回復の動きが続いた小規模企業景況…◇
5月期の小規模企業景気動向調査では、産業全体の業況DI(景気動向指数・前年同月比)はわずかに改善となった。項目別に見ると、売上額DIはわずかに悪化、採算DIはわずかに改善、資金繰りDIは不変となった。業況DIは4ヶ月連続の改善となったが、経営指導員からは、①景気回復の動きが見られるのは少数であり、多くは先行き不透明である、②増税以降、消費の低迷が長期化しているなどの報告もあった。
<製造業> ◇…機械・金属関連や自動車関連の受注安定などによりわずかに改善した製造業…◇
製造業の業況DIは、わずかに改善となった。項目別に見ると、売上額DIはわずかに悪化、採算DIは小幅改善、資金繰りDIは不変となった。経営指導員から、好転材料として、①機械・金属関連や自動車関連などで、受注が安定しており、売上も増加傾向にある、②一部の食品関連で、新たな販路の確保や新商品開発により好調などの報告があった。また、悪化材料としては、①原材料や電気料金が高止まりしている、②水産加工関連で、原料不足により稼働率に影響が出ているなどの報告があった。
<建設業> ◇…資材価格の上昇と人手不足に加え、公共工事の減少もあり悪化が続いた建設業…◇
建設業の業況DIは、わずかに悪化となった。項目別に見ると、売上額DIおよび資金繰りDIは若干悪化、採算DIは小幅悪化となった。経営指導員から、悪化材料として、①資材価格の上昇と人材不足により、採算が悪化している、②公共工事関連で、昨年度に比べると受注が減少しているなどの報告があった。また、好転材料としては、一部の地域で、自治体の補助制度により、リフォーム工事が増加しているなどの報告があった。
<小売業> ◇…一部でプレミアム付き商品券の効果が徐々に現れるなど改善が続いた小売業…◇
小売業の業況DIは、小幅改善となった。項目別に見ると、売上額、採算、資金繰りDIも小幅改善となった。経営指導員から、好転材料として、①プレミアム付き商品券の効果で、ついで買いや来客数が増加した、②衣料品関連で、気温の上昇により夏物が早めに動いたなどの報告があった。また、悪化材料としては、消費増税の影響が未だに続いているうえ、天候不順で野菜の価格が高騰しているため、買い控えの傾向が見られるなどの報告があった。
<サービス業> ◇…理美容業やクリーニング業の停滞で横ばいとなったサービス業…◇
サービス業の業況DIは、不変となった。項目別に見ると、売上額、採算および資金繰りDIは小幅悪化となった。経営指導員から、悪化材料として、①理美容業で、顧客の来店頻度が低下し、売上が減少している、②クリーニング業で、冬物の動きがあり売上は伸びたものの、洗剤等の仕入価格上昇による影響を受けたなどの報告があった。また、好転材料としては、一部ではあるが、宿泊関連や飲食関連で、観光客の増加に伴い回復傾向にあるなどの報告があった。