小規模企業景気動向調査
平成27年7月期調査
~ 6ヶ月連続で改善傾向を維持した小規模企業景況 ~
2015年8月24日
全国商工会連合会
<調査概要>
調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2015年7月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式
<産業全体> ◇…6ヶ月連続で改善傾向を維持した小規模企業景況…◇
7月期の小規模企業景気動向調査では、産業全体の業況DI(景気動向指数・前年同月比)は小幅改善となった。項目別に見ると、売上額DIは小幅改善、採算DIは若干改善、資金繰りDIは不変となった。業種によるばらつきがあるものの、業況DIは6ヶ月連続の改善となった。経営指導員からは、景気回復の実感はまだ乏しいが、夏のボーナスの増加や商品券の発売が消費喚起につながっているなどの報告があった。
<製造業> ◇…受注は引き続き好調だが、原材料高の影響で採算が厳しい製造業…◇
製造業の業況DIは、不変となった。項目別に見ると、売上額DIはわずかに改善、採算DIはわずかに悪化、資金繰りDIは小幅悪化となった。経営指導員から、好転材料として、①自動車・機械部品関連で、引き続き受注が好調である、②水産加工関連で、お中元関係の注文が多く、売上が増加しているなどの報告があった。また、悪化材料としては、円安による原材料費の上昇で、採算が依然悪化傾向にあるなどの報告があった。
<建設業> ◇…慢性的な人手不足と資材高騰による影響が懸念される建設業…◇
建設業の業況DIは、わずかに改善となった。項目別に見ると、売上額DIは若干悪化、資金繰り及び採算DIは小幅悪化となった。経営指導員から、好転材料として、①公共工事・民間工事とも、受注は比較的安定している、②住宅関連で、新築よりもリフォームの需要が多いため、リフォームに力を入れる事業所が増えているなどの報告があった。また、悪化材料としては、①慢性的な人手不足により、工期の遅れや受注量の抑制が生じている、②資材価格の値上がり分を工事価格に転嫁できず、利益を圧迫しているなどの報告があった。
<小売業> ◇…食料品や季節家電が好調で大幅に改善した小売業…◇
小売業の業況DIは、大幅改善となった。項目別に見ると、売上額及び採算DIは大幅改善、資金繰りDIは若干改善となった。経営指導員から、好転材料として、①食料品や日用品を中心に、プレミアム付き商品券の利用客が増加し好調である、②耐久消費財関連で、梅雨明け後の猛暑の影響によりエアコンの購入・買い替えが急増し、売上が回復したなどの報告があった。また、悪化材料としては、コンビニや大型店の増加により、小規模小売店は苦戦しているなどの報告があった。
<サービス業> ◇…夏の観光シーズンが到来し宿泊・飲食関連が牽引したサービス業…◇
サービス業の業況DIは、小幅改善となった。項目別に見ると、売上額DI、採算DI、資金繰りDIとも大幅改善となった。経営指導員から、好転材料として、プレミアム付き商品券による消費効果に加え、宿泊・飲食関連で、観光シーズンの到来や外国人旅行者・工事関係者の増加により稼働率が上昇し、売上が増加しているなどの報告があった。また、悪化材料としては、①理美容業で、顧客の減少や来店ペースの長期化により、売上が減少している、②一部地域で、天候不順・災害により観光客が減少したなどの報告があった。