小規模企業景気動向調査
平成27年10月期調査
~弱い動きで足踏み状態の小規模企業景況~
2015年11月25日
全国商工会連合会
<調査概要>
調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2015年10月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式
<産業全体> ◇…弱い動きで足踏み状態の小規模企業景況…◇
10月期の小規模企業景気動向調査では、産業全体の業況DI(景気動向指数・前年同月比)は若干改善となった。項目別に見ると、売上額及び資金繰りDIはわずかに改善、採算DIは小幅改善となった。各項目とも改善となったが動きとしてはまだ小さく、経営指導員からは、一部に好調な企業もあるが全体的には停滞感が強いなどの報告があった。
<製造業> ◇…中国経済減速の影響で輸出関連が振るわず、わずかに悪化した製造業…◇
製造業の業況DIは、わずかに悪化となった。項目別に見ると、売上額DIはわずかに悪化、採算及び資金繰りDIは小幅改善となった。経営指導員から、悪化材料として、①機械・金属加工等の輸出関連で、中国経済が不調であるため、受注が減少している、②食品関連で、原材料費の高騰分を販売価格に転嫁できず、業況が悪化しているなどの報告があった。また、好転材料としては、建設機械・建材関連や一部の自動車関連で受注が好調であるなどの報告があった。
<建設業> ◇…公共工事や住宅リフォームの受注が増加するも慢性的な人手不足が続く建設業…◇
建設業の業況DIは、わずかに改善となった。項目別に見ると、売上額DIは不変、採算及び資金繰りDIは若干改善となった。経営指導員から、好転材料として、①一部地域の土木関連で、公共工事の受注がようやく回復してきた、②住宅関連で、町による補助制度があるためリフォームが増加しているなどの報告があった。また、悪化材料としては、慢性的な人手不足が続いており、収益が悪化しているなどの報告があった。
<小売業> ◇…秋祭りなど季節的な需要により、やや持ち直した小売業…◇
小売業の業況DIは、小幅改善となった。項目別に見ると、売上額及び資金繰りDIはわずかに改善、採算DIは小幅改善となった。経営指導員から、好転材料として、①食料品関連で、地域の祭りなどイベントでの需要があり、売上が若干伸びた、②プレミアム付き商品券の効果が限定的に持続しているなどの報告があった。また、悪化材料としては、プレミアム付き商品券の終了や食料品・日用品の値上げで、消費者の購買意欲が低迷しているなどの報告があった。
<サービス業> ◇…行楽シーズンで宿泊関連が回復し、若干改善したサービス業…◇
サービス業の業況DIは、若干改善となった。項目別に見ると、売上額及び資金繰りDIはわずかに改善、採算DIは小幅改善となった。経営指導員から、好転材料として、①宿泊関連で、行楽シーズンを迎え、中高年観光客やインバウンドが増加し売上が伸びている、②理美容業で、イベントや結婚式などにかかわる需要を取り込み好調であったなどの報告があった。また、悪化材料としては、飲食関連で、大手チェーン店への流出や消費者の節約志向が原因で、来客数が減少したなどの報告があった。