小規模企業景気動向調査

平成28年9月期調査

~業種により明暗が分かれたものの、全体としては低迷が続く小規模企業景況~

2016年10月25日
全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2016年9月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体>◇…業種により明暗が分かれたものの、全体としては低迷が続く小規模企業景況…◇

 9月期の小規模企業景気動向調査では、産業全体の業況DI(景気動向指数・前年同月比)は不変となった。項目別においては、売上額DIは小幅悪化、採算DIと資金繰りDIはわずかな悪化となった。製造業及び建設業が全項目で前月比プラスに転じる一方、小売業、サービス業は全項目がマイナスとなり、業種により明暗が分かれた。経営指導員からは、熊本地震の影響からの回復やプレミアム商品券の発行による消費喚起が若干の影響を与えている一方で、台風による天候不順が食料品を高騰させ、小売業の仕入れに影響を与えていると報告があった。

<製造業> ◇…自動車関連や水産品で好調となるも、円高等の影響でわずかな改善に留まった製造業…◇

 製造業の業況DIは、わずかな改善となった。項目別に見ると、売上額DI、採算DI、資金繰りDIとも、わずかな改善であった。経営指導員からは、水揚高が大幅増加で好調であった水産食料品製造業や自動車・同附属品製造業において良好であったが、繊維製品製造業では、加工賃が安価な海外にシフトしたり、輸出関連の工作機械等の機械製造業が、大手企業からの発注減により悪化している旨の報告があった。

<建設業> ◇…公共・民間工事に関係なく好転するも、人手不足等により見通しが不透明な建設業…◇

 建設業の業況DIは、小幅に改善となった。項目別に見ると、売上額DIは大幅改善、採算及び資金繰りDIは小幅に改善となった。好転材料として、台風や大雨の影響により土砂災害等が発生した地域では、復旧工事が発生していること、民間工事では、リフォーム需要が増えたため受注が増加しており、地域を問わず好況となっている。一方で、仕事は増えてきているのに人手不足で受注できない、台風等の悪天候や長雨による工期延長など、今後の業況見通しは決して芳しくないとの報告があった。

<小売業> ◇…天候不順に伴う衣替え需要の伸び悩みや消費者の購買意欲低下で、悪化の続く小売業…◇

 小売業の業況DIは、わずかな悪化となった。項目別においては、売上額DIは大幅な悪化、採算及び資金繰りDIは小幅な悪化となった。悪化材料としては、①天候不順による衣替え需要の伸び悩み、②台風等により青果をはじめとした食料品の高騰により消費者の購買意欲低下に拍車をかけている。また、好転材料として、地域によっては、訪日外国人を相手にしたり、地元資源を活用して海外展開を図るなど独自の取り組みをして利益を確保している。

<サービス業> ◇…旅館・宿泊業や理美容業、運輸業いずれも悪化したサービス業…◇

 サービス業の業況DIは、小幅な悪化となった。項目別に見ると、売上額DIは大幅悪化、採算DIで小幅悪化、資金繰りDIで大幅悪化となった。経営指導員からは、台湾等からの訪日外国人が減少したものの、九州ふっこう割の効果で関東・中部・関西等の旅行客が増加したところや、持続化補助金を活用するなどして売上を伸ばしているとの報告があった。一方で、悪化材料としては、今年のシルバーウィークは祝日の並びが悪く、かつ、天候も悪かったため、昨年ほどの活況を帯びなかった。また、運送業者では、燃料は上昇傾向であり、収益に悪影響を及ぼしているとの報告があった。

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