小規模企業景気動向調査

令和元年10月期調査

~消費税増税・台風災害の影響で深刻な悪化となった小規模企業景況~

2019年12月5日

全国商工会連合会

<調査概要>

調査対象:全国約300商工会の経営指導員
調査時点:2019年10月末
調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式

<産業全体>◇…消費税増税・台風災害の影響で深刻な悪化となった小規模企業景況…◇

 10月期の小規模企業景気動向調査は、全DIで悪化となった。業況DI、採算DI、資金繰りDIが大幅悪化、売上額DIは15.7ptも悪化した。消費税率が10%に引き上げられたことで、目に見えて買い控えが発生したが、前回引き上げ時に比べて下げ幅は小幅にとどまり、水準も上回っている。関東・東北地方を中心に台風19号により甚大な被害が発生し、直接的な被害により事業継続が危ぶまれる事業者をはじめ、各地で断水や停電が発生し操業不能が発生する等、深刻な影響が発生している。

<製造業>◇…消費税増税や最低賃金引上げの影響に苦しむ製造業…◇ 

 製造業においても全DIで悪化となった。業況DI、採算DI、資金繰りDIが大幅悪化、売上額DIは14.8ptも悪化した。産業全体同様、製造業でも消費税増税が売上に影を落とした。軽減税率の対象となる食料品においても、ラップやプラスチックトレイ等の包装資材は軽減税率の対象外であり、対象品目値上げとなり、売上に影を落としているとのコメントがあった。また、10月は全国で最低賃金の上昇月と重なっており、事業所の経費負担増が拍車をかけているとの声が寄せられている。

<建設業>◇…好調から一転、消費税増税等の影響で悪化に転じた建設業…◇

 建設業においても全DIで悪化となった。特に売上額DIは11.3ptも悪化した。相次ぐ災害からの復興需要や住宅ローン減税やすまい給付金等の消費税率の引上げに伴う国の支援策により、需要はそれなりに旺盛で繁忙な状況は続いている。一方で、消費税増税や特定の建築資材不足の価格高騰、天候不順で工期が延長しているほか、土木工事の誘導員や警備員の不足により、人件費等が上昇し、採算が悪化しているとの報告があった。

<小売業>◇…前回ほどではないが、消費税増税の影響で深刻な落ち込みを見せた小売業…◇

 小売業は、先月から一転全DIが悪化した。悪化幅は、全業種中最大で、売上額DIは25.9pt、業況DIは17.6pt、採算DIは11.7ptとなった。先月が消費税増税の駆け込み需要が発生したその反動で、今月は深刻な買い控えが発生しているが、台風19号の影響で停電や断水が発生した地域では、ポリタンクなど一部災害対応用の特需があった。また、コンビニエンスストアを中心に、キャッシュレス・消費者還元事業の恩恵があるものの一部に限られ、その裏でクレジットカードや電子マネーの手数料が大幅に増加しており経費が増大している。

<サービス業>◇…他業種と比べると落ち込みは小さいものの、増税の影響は大きいサービス業…◇

 サービス業においても、先月から一転全DIが悪化した。悪化幅は他3業種と比べ小さかったものの、業況DIで小幅、採算DIと資金繰りDIで大幅、売上額DIは10.8ptとなった。消費税増税により売上額についてはどこも落ち込みが見られる中、キャッシュレスに対応できている事業所では、集客が増えている。一方で、軽減税率の恩恵を受けられない飲食店では外食控えも相まって売上が落ち込んでいる。また、天候不順や台風災害の影響で旅館業では売上や予約が減少しており、年末年始の巻き返しに期待を寄せている。

全国商工会連合会 政策推進部 事業環境課

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館19F
TEL:03-6268-0085 FAX:03-6268-0997

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